二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来オリキャラ募集 任務募集 ( No.153 )
- 日時: 2010/07/10 21:05
- 名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)
今回の目的地、黒海に着いた。
コーカサス山脈のふもとは意外にも温暖な土地だ。
「なんかロシアっていうと、『寒い』のイメージしかなかったけど、そんなこともないんだね」
「私も寒いって思ったけど、ほんとにあったかい」
エルバ達は黒海の浜辺にいた。自分たちを観光客、と見立ててアクマを誘い出すため、全員私服だ。
しかし、危険を知らずにきたのか、観光客らしき人々が数十人ほどいた。
「あの人たちを避難させないと、だよね」
「ううん、他のエクソシスト達がやってくれるわ。私たちはあくまで見学だから」
「そっか…」
エルバは、ここまで来るのに嫌な予感がしてならなかった。
なにか、強大ななにかがそこにいるような気がしたのだ。
大人のエクソシスト達は、『津波が来る』という話で観光客を返した。
しかし。
「君、もうすぐ津波が来るんだ。早くホテルに帰りなさい」
「えぇ〜。僕にそんなのどうでもいいよぉ」
どうやら、もめごとがあったらしい。エルバとシャオンは、そこへ向かった。
「どうしたんですか?」
「この子、何を言ってもここから離れないっていうんだ」
その子は少女だった。浜に座っている。
黒くバサバサした髪、フリルのたくさんついた長そでのブラウス、短いスカート、ボーダーのニーハイ、
そして黒い人工革の靴だった。
「『僕達』は津波とか、慣れてるんだよぉ。久しぶりの『千年公』とのバカンスなのにぃ」
「せんねん…こう?」
少女がエルバを見上げた。少女は目を見開いた。
「ア、レン?」
「え…?」
少女は立ちあがった。
「アレン、アレン? なんで? だってアレンが生きてたの、19世紀でしょ? なんで?」
「え、いや、僕はエルバっていうんだ」
少女は見開いていた目を虚ろにした。
その目は、本当に悲しそうなものだった。
「そっか、そうだよね…うん。なんでもなかったことにしてぇ」
「?」
少女は素直に浜から去った。
これで、観光客は全員いなくなった。
「あとは、アクマが来るのを待つだけだね」
「戦っちゃだめよ、私たちは見学」
そして、敵はやってきた。