二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来オリキャラ募集 任務募集 ( No.163 )
日時: 2010/07/11 13:57
名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)

 そして、『来てしまった』。

「あなたは?」

 大人のエクソシストが『彼』に尋ねた。

「そんなことは関係ないんですヨ。あなたたちはエクソシストですカと聞いているんデス」

 大柄な、高いシルクハット、この季節には似合わない厚手のコート。

「…まぁ、そうですが…」

 瞬間。


 そう答えたエクソシストの心臓に、大男の傘が刺さった。

「う…うわあぁぁぁ!!」

 そう言って逃げようとしたエクソシストも刺された。
 その間に、他のエクソシストは逃げた。
 その様子を、エルバとシャオンは草かげから見ているしかなかった。
 小声でシャオンが言った。

「エルバ君、危険よ! 早く逃げましょう!」
「…だめだ」

 エルバは否定した。

「あの人たち、まだ生きていたらどうするんだ…!」
「エルバ君! 私たちはまだ子供よ! まだ弱いの!」

 シャオンはニーハイに触った。
 ニーハイは帯のように解かれていく。

『黒い靴(ダークブーツ)、発動!!』

 黒い帯が黒いブーツになった。
 わずかに草むらが光ったため、大男はこちらに気づいた。

「まだいるようですネェ。こそこそ隠れテ」
「せーんねーんこー!」

 千年公と呼ばれた大男の大きな腹に、先ほどの少女が抱きついてきた。

「ロード、いままでどこにいたんですカ?」
「えー、なんか津波がどうとかで浜からだされちゃってぇ」
「それはひどいですネ! 一体どこの人間ですカ?」
「そこに死んでるやつぅ」

 ロードと呼ばれた少女が指を指した。
 心臓を突かれたエクソシストだ。

「ふム、アクマを破壊するためにデマを流したんですカ。せこい手ですネ」
「さっきねぇ? アレンにそっくりな奴がいたんだぁ」

 大男の表情がぴたりと止まった。
 裂けた笑い顔が止まった。

「アレン・ウォーカーに、ですカ?」
「う〜ん、でも本人は『エルバ』って言ったんだよぉ。ちょっとざんねぇん」

 シャオンはエルバに言った。

「このままじゃ、二人とも殺されるわ。早く逃げましょう」
「でも…」
「いいから、掴まって!」

 エルバは言われた通り、シャオンの手を掴んだ。
 そして。

「おわあぁぁぁああぁぁぁ!!!???」

 黒い靴でシャオンは跳躍し、ものすごい勢いで空へ飛んだ。

「あ、あの子だよ千年公! あの白い髪の子!」

 ロードが空に指を指す。
 大男は指のさきに目を向けた。
 メガネから涙が出た。

「14番目…」