二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来オリキャラ募集 任務募集 ( No.165 )
日時: 2010/07/11 15:09
名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)

 エルバ達は生き残ったエクソシストとある店で合流し、作戦を練った。

「あの大男、ロードっていう女の子に『千年公』と呼ばれていました」

 エルバは大人たちにそう説明した。
 一人の大人は少し考えた。

「ふむ…だとしたら、あの大男は千年伯爵の可能性が高いな」

 さっきからびくびくと震えていた大人が言った。

「も、もう帰ろう! ああ、アクマは倒したんだ!! もういいだろ!」
「それはダメですよ!」

 叫んだのはエルバだ。

「亡くなった二人はどうするんですか! あのままほったらかしにするんですか!?」
「教団が引き取ってくれるさ! それくらい分かるだろう!」
「だったら彼らのイノセンスはどうですか!?}

 全員が固まった。

「エルバ君、そうよ、そうよ! 千年伯爵はイノセンスを破壊できるらしいわ!」
「だったら、早く戻らないと!」

 エルバとシャオンは席を立った。
 怯えた大人が制止する。

「や、やめとけ! 殺されるぞ!」

 エルバは振り返った。
 その顔は、怒りと、悲しみと、決意のまじったものだ。

「皆さんは行かなくていいです! 僕らが行ってきます!」

 エルバはシャオンを連れ、店を出た。
 しばらく街を走り、黒海へ戻ってきた。
 二人分の遺体はまだあった。

「イノセンスは取られたのかしら…」
「まだ分からない…そばに行こう」

 浜に足がのめり込むのは気にせず、二人は遺体のそばに寄った。


「おかえりぃ、エルバァ♪」


 背後から声がした。

「「!」」

 エルバとシャオンは同時に後ろを振り返った。
 そこには、ロードがにこにこ笑って立っていた。

「君は…」
「きゃははっ、アレンと同じ口調だ! やっぱりアレンだ!」
「僕はアレンじゃない、エルバだよ」

 ロードは唇を舐めた。

「その左目、アクマの魂見える?」

 エルバははっとし、左目の傷に手を添えた。

(なぜこの子がそんなことを知っているんだ!?)

 ロードはクスクスと笑っている。その光景が楽しくて仕方ないのだろうか。

「お前、名字『ウォーカー』でしょ。アレンだってウォーカーだもん」
「ロード…本当に君は何者だ?」
「僕? 僕はねぇ…」

 ロードの顔が、右の方から黒くなっていく。黒くなった所の額に、聖痕が浮かぶ。

「僕はノア。千年公の兄弟だよぉ。お前らエクソシストを殺して、世界を終焉に導く手助けをするんだぁ」

 笑っている顔だったが、目が全く笑っていない。
 憎悪と懐かしいものを見るような目だ。

「アレンの子孫。面白そぉ。おまけになんだか、リナリーの子孫みたいな子もいるし」
「リナリー?」

 シャオンは眉をひそめた。
 ロードは本当に、嬉しそうだった。

「これから楽しくなりそうだなぁ。でも、僕らは殺し合わなくちゃいけないんだよねぇ…」
「ロード。イノセンスは取りましたカ?」

 エルバとシャオンはゆっくりと後ろを振り返った。
 エルバが固まった。

「千年…伯爵…!」

 千年伯爵は、なにも思っていない笑顔で二人の前に立っていた。

「エルバ・ウォーカーでしたネ! 我輩はお前の先祖、アレン・ウォーカーとノちょっとした知り合いでス」
「僕の、先祖!?」
「そーお」

 ロードがエルバと千年伯爵の間に入った。

「白い髪、銀灰色の目、お人好し、最後に呪われた目! 全部アレンの!」

 ロードは千年伯爵の方を向いて、ちょっと拗ねた顔を造った。

「ねェ千年公〜。今回は僕のこの顔に免じてイノセンス壊さない、じゃダメェ?」
「ん〜、仕方ないですネェ。今回だけですヨ?」

 千年伯爵はロードの頭を撫でた。
 ロードは嬉しそうに撫でられている。

「お前たちエクソシストは、これから面白ものを見ることになりますヨ! 楽しみにしていなさイ!」

 千年伯爵の手を名残惜しそうに離し、ロードは一点をみた。
 すると砂浜から大きな扉が出た。

「じゃあ帰ろっか、千年公♪」
「そうですネ」

 その扉に二人は入って行った。
 しばらくして、シャオンから口を開いた。

「私たちが、千年伯爵の知り合いのエクソシストの子孫? どういうことかしら」
「わからない…」

 エルバは下を見た。砂しかないが、エルバには何かみえているのか。

「面白いものを、見ることになる…?」