二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来オリキャラ募集 任務募集 ( No.192 )
日時: 2010/07/16 19:44
名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)

  消える

 方舟捜索班は数日後に作られることとなった。
 方舟事件から数日が経っていた。

「シュウーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!」
「ぐはっ」

 アリスはいつものようにシュウに——ではなく、ユウに抱きついて行った。

「・・・デジャブ」

 アレンはその光景をみて苦笑した。
 そちらの時代のときに似たような出来事でもあったのだろう。
 エルバが紹介した。

「彼女はアリスっていう日本人で、神田シュウが好きらしくて・・・」
「あ〜あ、ユウがキレんぜ?」

 ラビはがっかりしたようなものだったが、目はむしろ試合でも観戦しているような楽しそうなものだ。
 アリスは気づくことなくユウの頬に自分の頬をこすりつけている。
 火花が散りそうな勢いだ。

「ひっどいよシュウ! なんで何日も会えなかったの!?」
「アリス、そいつは俺じゃねぇぞ」
「ん? んん?」

 アリスが見上げる。
 本物のシュウがいた。

「・・・なんだテメェ——」
「ほんとだっ! どーりで髪が長すぎなわけかぁ…」
「聞け…」

 やはり神田家の男子は女性に対して攻撃を仕掛けないのだろうか。
 切りかかろうとしない。

「僕が神田に初めて会った時、武器損傷させられたのになぁ…」
「傷はつけられなかったけど、僕もやられたなぁ…」

 しみじみとしているウォーカーズにバノは「黄昏てる場合じゃないさ」と声をもらす。
 そんなバノにもその女子は寄ってきた。

「…あれ? バノにメガネバージョンとオフバージョンなんてあったんか?」
「…アナ、オレはメガネないと視力Dさ」

 やはりそれなりにこの状況は困る。
 シャオンとリナリーは食堂で、サチュラとクスクス笑いながら話している。

「…にしても未来はすごいですね。僕の時代にも学校があったらよかったですよ」
「でも、学校だから逃げるときは逃げないとダメなんだ。僕にとってはそれがきつい」
「そっか…っ!」

 アレンは唐突な痛みに顔をゆがめた。

「アレン?」
「…ぐっ!」
「いてっ!?」

 ユウ、ラビも痛みを感じたようだ。
 体を押さえていた。

「シュウのそっくりさん! どうしたの!?」

 アリスが心配し、ている。
 リナリーにもそれは起きたらしい。
 エルバ、バノ、シュウ、シャオン。そしてアリスは——。
 絶句した。



 彼らの身体が、透けている。



 パッと見た程度では透けていることに気づかないかもしれない。
 しかし、何度見ても彼らは透けていた。

「アレン!?」
「ラビ、どうしたんさ!!」
「なにが起こってやがる…」
「シュウのそっくりさん!」
「リナリー!? リナリー!!」

 エルバ達は自分の先祖の身体の以上に驚愕した。

「アレン、医務室に運んだ方がいい!?」

 今にも崩れるのではないかというアレンの身体を、エルバはなんとか支えていた。
 アレンは痛みに耐え、脂汗を滲ませている。もちろん他者も同様だ。
 元に戻ったり透けたりと、現象は完全に消えない。
 ラビは苦笑の顔で、震えてかすれた声を絞り出した。

「もしかしたら…オレらが時間を飛んだことと、関係があるかも…しれない…さ!」
「え…!?」

 そのままラビは崩れた。

「バノ…ッ、ラビ、は…!?」

 自分も同じ状況下にあるのに、アレンはラビの心配をした。

「びっくりさせるぜ、気絶してる」
「よかった…」
「やっぱり、医務室に運んだ方がいい…! それぞれしょっていかないと。…シャオン!」

 ちょうどシャオンとサチュラが、リナリーを支えてやってきた。

「エルバ君! 一体何が起こってるの!?」
「まだわからない。ラビがなにか呟いていたけど…。それよりも彼らを運ぼう」

 一人だけ不真面目がいた。

「神田!」
「俺はごめんだぞ、エノキ」
「こんな時にそんなこと言ってる場合じゃないさシュウ!」
「あたしじゃ運べないよシュウ!」
「…」
「「「神田!!」」」

 全員が神田をいさめる。

「ったく、俺の先祖のくせに弱ぇなおい」
「…うっせェ」

 ユウも反発は一丁前だ。
 エルバはアレンをしょった。
 アレンはすでに透明化はなくなっているが、それでもつらそうに青ざめている。

「本当に…何が起きてるんだ?」