二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来 ( No.24 )
日時: 2010/06/14 19:32
名前: 亜倉歌樹 (ID: lOah4y4E)

 エルバは理沙と出会った公園に移動し、二人で草むらに隠れ、説明を始めた。

「僕らエクソシストは、『千年伯爵』という人物が生み出した『AKUMA』
というものを破壊するのが仕事です。アクマは『機械』『魂』『悲劇』から
製造されます」
「悲劇…?」
「ええ」

 エルバの目は凛々しかった。

「あの刑事さん…伊庭さんでしたね。伊庭さんと仲のいい人で、
『中学生くらいの少年』で亡くなった子はいますか?」

 理沙には思い当たる人物がいた。

「養子になった、私の…弟」

 エルバは悲しそうに笑った。苦笑した。

「…貴方の弟さんが亡くなり、彼はきっと病んでしまったのでしょう。
そこに千年伯爵が現れたんですね。伊庭さんは弟さんの魂を呼びだし、
『機械』は『魂』を組み込んだ。これでほぼアクマは完成です。後は呼びだした
伊庭さん本人を殺し、皮をかぶった…」

 ふとエルバは、俯いて震えている理沙を見た。

「でも、じゃあ…。人殺しをしているのは、勇樹なの?」

 エルバは笑った。

「いえ、勇樹君…は、魂自体は人を殺したくないんです。でも、一度機械に
取り込まれれば、もう伯爵のいいなりです。魂を解放するには、僕らが
破壊するしか方法がないんです——!」

 言葉を噤み、バッと理沙を伏せさせた。

「…来ました」

 エルバの目線の先を、理沙も後を追う。そこには、伊庭の皮をかぶっていた
勇樹のアクマが、こちらに来ていた。

「此処にいてください。すぐに終わらせます」

 あ、と声をあげかけた理沙だが、すぐに閉じた。
 アクマはこちらを見ている。

「こっちだよ、勇樹君」

 エルバはいつの間にか、アクマの横に立っていた。白い左腕にもなっている。
 アクマは体を銃器のように形成し、赤い弾丸を見えないくらいに連続で撃ってきた。
 すでにエルバは、アクマの後ろに立っていた。
 左腕は、アクマを貫通していた。
 アクマは破裂した。

「おやすみ。よい夢を、勇樹君」