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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来 ( No.3 )
- 日時: 2010/07/02 05:29
- 名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)
新たなる神の使徒たち
正午を過ぎた渋谷は、朝よりも若者が増え、ギャルたちの笑い声、不良たちの騒ぎ声で溢れかえっていた。
広い交差点を、道路が埋もれるほどの人が渡る。 前後左右全てが人のこの場所を、そう珍しくもない格好の若者が周りと同じように通っていた。
黒いパーカーで、付いているフードを深くかぶり、顔が見えない。フードからわずかに覗く髪の毛は、
染めたわけでもなく白い。ブカブカでくすんだ色のダメージジーパンの下には、
地味なスニーカーを履いている。
交差点を渡りきり、歩道を歩いていた若者は、不意にぴたりと立ち止った。横を向く。
彼の目線には、暗い路地があった。フードの中から小さな機械音が漏れ、止むと路地に走り出した。袋小路についた。かぶっていたフードをとる。
中から白髪に似合わない十代の顔が出た。銀灰色の目の左目には、赤い傷のようなものがあった。
彼は軽く息を整え、英語で独り言を言った。
「ティムキャンピー。よくニュースに出てる事件のアクマは、人前に出るのが好きなのかもしれないね」
彼の目の前には、大量の血しぶきと、服と、砂のようなものがあった。
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