二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来 ( No.30 )
- 日時: 2010/07/02 05:28
- 名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)
神の子のミサ
「ついたよ、ティムキャンピー。噂に聞いたエクソシストの学校」
一人の若者が、おおきな学校の前の柵に佇んでいる。
黒いパーカーのフードをかぶっていたが、飛び出た余りの髪の毛は白いのがわかる。
ふいに、フードから金色の球体のようなものが出てきた。表面には十字架が刻まれ、羽が生え、
ペラペラの葉のようなものが付いた長いしっぽが付いている。
「二週間も中に入れてごめんよ、ティム。でもやっとついた」
ティムキャンピーと呼ばれているらしい球体は、若者の頭にちょこんと乗った。
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黒パーカーの若者は、「入学はこちら」と書かれた看板を目印に、ガラス張りの扉を開けた。
中にはいったものの、中には人がいる気配がない。
仕方なく若者は、机に置いてある書類のような「入学申込書」というものに
「エルバ・ウォーカー」とペンで記入し、続けて性別、年齢を記入した。
そして書類を、開いていた小さな窓のようなところに置いた。
その瞬間、閉まっていたカーテンの隙間から、ビュッと手が伸び書類をひったくった。
エルバ・ウォーカーと書いた若者とティムキャンピーは、この唐突さに驚いた。
エルバは「ひっ」と声を上げた。
カーテンはゆっくり開き、中からクマだらけのひょろっとした顔立ちの中年男が顔を出した。
「…あんた、『神の武器』はお持ちかい?」
その言葉に、しばらくきょとんとしたエルバだったが、言葉の意味にやっと気づき、
袖に入れていた(というか隠していた)左手を出した。その手の色は血のように紅く、
甲には十字架が埋まっていた。
「…理事長を呼ぶから、待っていろよ」
男は書類に何か書き足し、カーテンを閉め、奥に入っていったようだ。
足音が消え、別の足音が聞こえたかと思うと、シャッとカーテンが開いた。
「エルバ・ウォーカー君だね。僕はこの学校の理事長、カーン・リーだよ。よろしく」
眼鏡をかけた、若い青年だった。しかし、左胸にはきちんと「理事長 カーン・リー」と書かれている。
「え、もう入学していいの!?」
エルバは叫んだ。廊下に声が響く。
「…あ、やばい、癖が…」
「あはは、気にしなくていいよ。ここじゃみんながため口だから、先生に対してもね」
「そ、そうなんだ」
「さっき君が入るクラスを何処にするか決めたから、そこの先生と行ってね」
カーンが指をさす方を見ると、いつの間にか誰か立っていた。
顔整っていて目が大きいため女性にも思えるが、広い肩と大きな身長なので、男としっかり認識できた。
彼はふっと微笑み、エルバの手を取り握手をした。
「トール・スピリットだ。今日からお前の担任教師。よろしくな、ウォーカー」
「よろしく」