二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来オリキャラ募集 ( No.39 )
- 日時: 2010/07/10 13:51
- 名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)
「お前のそれはなんだ」
神田は睨んでいる。本当に殺しそうな威圧感がある。
「僕の武器だよ」
エルバも負けずに睨みかえした。
その態度が気に入らなかったのか、神田は刀をエルバに向け、かまえた。エルバも変化した左腕を神田に向ける。
両者が突進しようとした、そのとき。
「来て早々喧嘩するなよ、神田、ウォーカー」
二人の身体には、木の太い枝のようなものが巻きつき、動きを止めていた。木は開いた窓から伸びていた。
二人は同時に一点を見た。
トールが鍬を二人に向けていた。鍬を上にゆっくり振ると、枝は音を立てて窓へ出ていった。
トールは鍬を小さく変化させ、スーツに付いたポーチに収納した。
「ウォーカーすまないな。神田は喧嘩っぱやいんだ」
「スピリット、アクマは破壊するのがエクソシストだろ。助けてどうする」
「…これは、僕の先代が受けた傷らしいです」
エルバは頬をポリポリと掻いた。その姿に何を思ったか、トールは笑った。
「神田、ウォーカーがアクマな訳がない。彼は『寄生型』の武器を持っているからな」
その言葉に神田は舌打ちをした。エルバはきょとんとしていた。
「きせいがた?」
”?”が浮かぶエルバに、トールは、後で教えると言った。
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授業が終わり、その後エルバは、トールに様々なことを教えてもらった。
『神の結晶』と呼ばれるイノセンス。適合者の三種類、寄生型、装備型、例が少ない結晶型。シンクロ率。
エルバがかつて出会ったエクソシストは、闘い方は教えてくれたが、詳しい話を全くしてくれなかった。
…というよりか、自身で調べろと言っていたような気もした。
教えてもらった後は、座った席の班と同じ教室掃除をした。
エルバが箒で埃をかき集めていた。
不意に黒の混ざった緑髪の三つ編みツインテールの誰かに声をかけられた。
「エルバ君…だったかな?」
「うん」
「挨拶まだだったよね。私、シャオン・リーって言うの。よろしくね」
「よ、ヨロシク…」
エルバが言葉に詰まったのは、シャオンが突然話しかけてきたからではなかった。
かわいいな、と思ったのだ。
「さっきは大丈夫だった? 神田は結構気難しいの。自分の意思に背かないからね」
「そうなんだ…心配してくれてありがとう」
エルバが礼を言うと、シャオンは少し照れくさそうになった。
「ううん、幼馴染だと結構似たようなことがあるから」
「幼馴染…」
エルバはチラッと廊下を見た。濡れたモップで掃除をしている神田が見える。こちらの視線に気づき、鋭い眼光で睨みつけてきた。
「それは確かに大変かも」
「ふふ。許してあげてね。根は優しいから…」
二人は一緒に掃除をした。