二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来オリキャラ募集 ( No.47 )
日時: 2010/07/07 20:55
名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)

 薔薇と聖女の子守唄

 金曜日。
 エルバが来た日から二日が経っていた。そして、課外授業とやらの正体がわかった。
 教団ビルが隣にあるらしく、そこの一人前エクソシストとともに、イノセンス探しをするらしい。

「…で、なんで神田がいるわけ」
「ちぃっ、俺の知ったこっちゃねえ」
「まあまあ御二人さんよ、落ち付けや」

 なぜかエルバは神田といた。神田の横には、昨日の自己紹介の時間にいた男生徒、カーティス・ユヴェルがいた。
 髪が長く、右の方の前髪を長く垂らしてうなじ辺りで髪をまとめた少年だ。

「なんで僕が神田と一緒なんだ!」
「なんで俺がエノキと一緒なんだ…!」
「俺っちにんなこと言われてもな…トールT(トール先生)に聞けばいんじゃね?」

 言葉づかいを抜けば大体同じことを言っているエルバと神田。
 三人は今、理事長室の前の廊下に立っている。悪いことをしたわけではない。
 これからイノセンスを探しに行くのだ。あくまでも。

「三人ともー。入ってきていーよー」

 カーンが理事長室からひょいっと顔を出し、入室を促す。
 理事長室は悪趣味だった。
 なぜか壁のいたるところに墨とさびが付き、棚にはカーンをロボットにしたようなフィギュアが
ずらりと並んでいる。
 壁の開いたスペースには、幼いシャオンらしき子と一緒に写っているカーンの笑顔の写真がはってある。

「まずエルバ君には、これを貸しておくよ」

 そういってカーンが差し出したのは、綺麗にたたまれた黒い服だ。

「…これは?」
「ここの制服(コート)だよ。アクマと戦うとき、すぐ重症になっちゃ戦えないでしょ?
防御力を高めるんだ。黒の教団特製だよ」

 しばらく制服を見つめ、エルバは制服をはおった。

「お、ちょっとぶかい(ブカブカ)けど、いんじゃね?」

 カーティスはヒュウと口笛を吹いた。

「これは、みんな違う形?」
「おうよ。みーんなオーダーメイド。教団側が作ってくれるんだ」

 カーティスは自分の服をみせびらかす。あえて長くしているのか、手が袖から出ていない。

「君は一昨日来たばっかりだからね。しばらく予備の制服で我慢してね」

 カーンがコーヒーカップの中のコーヒーを飲みながらピースをしている。
 カップを机に置くと、カーンは急に冷静な顔つきになった。

「授業とは言っても、これはほとんど任務だ。イノセンスがあるところには、絶対アクマがいる」

 一瞬驚きはしたものの、すぐに返事をした。

「はい」
「めんどくせ…」
「アイサー」