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　エルバたちは教会に駆け込み、わずかな隙間を開けた扉から外の様子を窺った。

「エルバァ？　さっきの質問なんだけどさあ…」

　カーティスは小声でエルバに話しかけた。それに対し、エルバも小声で答える。

「僕の先代には、昔養父をアクマにした人がいたらしいんだ。その人はアクマに目を切られて、
その目は呪われた。そのあと、彼の左腕に寄生していたイノセンスが勝手に発動して、養父のアクマを
破壊した。それ以降、彼の動かなかった左腕は動くようになり、アクマの魂が見えるようになったんだって」
「ん〜。なんか複雑だなー」

　カーティスの言葉の後、神田は何かを感じ取ったようだった。

「…来やがった」

　神田の一言により、その場のエクソシストは扉を覗く。
　外には球体のような禍々しいものが複数、空を飛んでいる。
　修道女は必死に何か祈っている。

「ミヒャエルさん。貴方はここに隠れていてください。僕らが破壊してきますから」
「…」

　ミヒャエルは返事の代わりに、震えながら首を縦に振る。

「みんな、行くぞ」

　ワイサの合図で、男たちは飛び出していった。

「神様…どうか彼らに勝利を…！」

　ミヒャエルは握り合った両手をこわばらせた。
　教会には、何かがいる気配がしていた。