二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来オリキャラ募集 ( No.76 )
日時: 2010/06/25 19:46
名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)

 エルバは足元をきょろきょろと見まわし、足元にあった石を拾い上げる。手のひら大の石だ。
 それを左腕で思い切り投げる。もちろん、方向としても、薔薇から離れたところだ。
 石は綺麗な放射線を描いて、カランという音を立てて落ちた。
 ワイサはそれに気づかないはずがない。

「ん? エクソシストか?」

 ワイサは音がした方に素直に歩いていく。
 そして、驚愕の真実を知ったような顔をした。

「そ、そうか! これが神様のお導きって奴だな!? 伯爵さまが、俺に自由に生きろと言ってくれてん
のか! ひゃっふう!」

 ワイサは神田たちのいるところに飛んで行った。
 しばらくして安全を確かめ、エルバは影から出てきた。
 月は綺麗だ。
 薔薇の前に立つ。イノセンスを発動した。
 初めて見たときは畏れをいだいた薔薇だったが、いまでは助けを求めるように悲しく咲いている。

「…今、助けるよ」

 エルバはボソリと言った。
 土を掘り出す。イノセンスを傷つけないように、慎重に掘る。そして。

「悪いけど、君が持っているそれが、ミヒャエルさんを殺すかもしれない。回収させて」

 根をゆっくりと解いていく。薔薇も抵抗せずに、根が動く。そのおかげで作業はスムーズに進んだ。
 イノセンスが、完全に解かれた。
 それを手に取る。

「…ありがとう」

 その時。

「ぐあっ!?」

 エルバは吹っ飛び、階段にぶつかり、ガタガタと落ちていく。
 吹っ飛ぶ衝撃で、イノセンスはエルバの手から離れた。

「あっぶねー。確認のために戻って良かったぜ…。おまえらも諦め悪いなあ」

 ワイサは落ちたイノセンスを拾う。

「それを…返せ!」

 エルバはなんとか立ち上がり、左腕を向けた。
 階段から落ちたせいか、体中がバランスを取れていないように震えている。

「返してもいいけど? 三人の場所教えてくれたらぁ」

 ワイサはべぇっと舌を出す。

「くそ…!」

 エルバは飛び出す。だが、ワイサは消えた。

(来る…!)

 後ろを振り向く。そこには予想通り、ワイサがいる。そのまま、ワイサに殴りかかろうとした。
 だが。

「その手には引っ掛からない!」
「ギグウ!?」

 エルバは殴りかかっていた手を後ろに回し、背後にいたワイサの蹴りを受け止めていた。