二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来オリキャラ募集 ( No.83 )
日時: 2010/07/07 20:58
名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)

 戦の後に

 薔薇の事件から数日後。
 ミヒャエルの報告によると、薔薇は今でも咲き続けているらしい。
 試しに葉を一枚切ってみたらしく、再生もしなくなったようだ。
それでも、いつ伐られてしまうかも分からないので、茎をある程度残して一輪だけ薔薇をドライフラワーに
して、大事に保管してあるらしい。
 ミヒャエルの手紙には、

「私のわがままのせいで多くのご迷惑をおかけしました。どうもすみませんでした」

 と書かれていた。

「いやーそれにしても初授業だって言うのに、ずいぶん優秀だったねー」

 理事長室にエルバを呼び出し、カーンはレポートを読んでいた。

「それだけを言うために僕を呼び出したとか言わないでくださいよ理事長」
「いやいや、それだけじゃないよ?」

 カーンは無駄に大きい皮のいすに座る。

「今日はこの学校の隣に位置する、教団ビルに行ってほしいんだ」
「教団、ビル?」

 うんと言って、カーンはグチャグチャの棚から何かの本を取りだした。

「すっかりさっぱり忘れてたんだけど、君のイノセンスをへブラスカに見せるために行くんだ」
「へぶらすか?」
「回収したイノセンスを預かってくれる人」

 カーンは椅子から立ち上がり、机の隅に放置されていた上着を手に取り、ドアノブに手をかけた。

「イノセンスを持って、今から出発だ」

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

 学校の校門をでてすぐ右を見れば、確かにビルが建っている。
 他のビルと比べがつかないほど高く、真っ黒だった。

「なんかこれ、僕らよりもむしろ伯爵のがイメージ合うんですけど…」
「ん〜、昔っから教団は黒いんだよ〜。なぜかねー」

 カーンは堂々と入っていく。エルバはしばらく眺めていたが、カーンがビルに入っていくことに
気づくと、慌ててそのあとを追った。
 当然のごとくの自動ドアに入ると、天井が高く、大きく広いロビーがエルバの目に入った。
 その壮大さに、エルバは感嘆した。

「すごい…」

 人という人があふれ、人が人を横切る。
 ロビーの受付の人が、男性と何か話している。案内だろう。

「すごいでしょう? みんな全員が教団関係者なんだ」

 カーンは迷うことなくエレベーターに入っていく。
 あまりにも行動が速いため、エルバは付いていくことがやっとだ。
 カーンは地下の方らしいボタンを押した。
 いっきに落ちる感覚に襲われたエルバは、ちょっとだけ気持ち悪くなった。
 エレベーターの階の数字が高速で変わる。
 慣れない感覚で、ほぼ吐くギリギリのところで到着したらしい。

「よーし、着いたよ」

 到着音が鳴り、扉が開いた。
 エルバの顔色は、すでに真っ青というものを超えている。

 なんとか歩き出し、カーンについていく。
 しばらく歩いた後、カーンは一つの扉の前で止まる。

「ここにお偉いさん、大元帥の方々がいるんだ」