二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来オリキャラ募集 ( No.84 )
日時: 2010/07/03 09:56
名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)

  神の力の守護者

「だいげんすい?」
「そう、全ての教団の中で、一番偉い人」

 カーンは扉を開ける。
 開いた所から二人は中に入った。
 しばらくはほぼ真っ暗闇だったが、ある程度歩くと照明が付いた。
 エルバ達は中央に位置し、大きく高い椅子が周りにいくつか並び、そこには黒いローブを着た人々が座っ
ていた。

『エルバ・ウォーカー。神は我々に、新たな力を与えてくださった』

 大元帥とやらの声は、何やらノイズが入っている。
 カーンが声をひそめてエルバに言った。

「あの人たちは本来、中央庁にいてね。あれは全部、人形にスピーカーとマイクを付けただけのものさ」

 エルバが感心していると、いきなり床が降り始めた。

「さあ、へブラスカとのご対面だよ、ちょっと感触は悪いらしいけどね」

 カーンの言葉の後、エルバの身体が何者かにさらわれた。

「うわ!?」

 顔を後ろに向けると、大きく白い顔が、エルバを見ていた。

『イノセンス、を…見る』

 左腕に、触手のようなものが入る。その瞬間、体中の血管が飛びでるような感覚に襲われた。

「ううえっ!」
『安心、しろ…すぐに終わる…』

 へブラスカ、と呼ばれる白い顔が言った。
 それに従いしばらく我慢していると、感覚が収まった。

『すまない、な。少しやり方が…悪かった、か…』
「い、いや、エレベーターの方がきつかった…」
「ん? そうだった? はっはっは」

 エルバはゆっくりと下ろされた。
 降りる前からだが、エルバはカーンに少し殺意を抱いた。

『エルバ、だったな…。イノセンス、は…持って、いるか…?』

 へブラスカはイノセンスを預かるとカーンが言っていたことを思い出し、エルバはポケットから回収した
イノセンスを取り、差し出した。
 するとイノセンスは、触手を伸ばすへブラスカの元へ浮いていった。
 イノセンスがへブラスカの上に来ると、へブラスカの下に、不思議な魔法陣が現れた。それはとても神秘
的だった。

「綺麗…」
「これはへブ君の体内だよ。一つ一つ円があって、そこにイノセンス一個が入るんだ」

 カーンが言うへブ君という呼び方に少し違和感を覚えるエルバだが、イノセンスがへブラスカの中に入
り、円の中に入っていく様子を見ていれば、そんなことはどうでもよかった。

『わたし、は…イノセンスを…保護する、から…授業の後には…持ってきて、くれ』
「わかったよ、へブラスカ」
『お前…は、アレン・ウォーカーと、似て、いる』
「何か言った? へブラスカ」
『いや…何でも、ない』

 二人は触手と手で握手をした。

「うんうん、なーんかいい出会いだったねぇ」
「カーン校長、説明してからここに来させてくれないんですか」

 カーンに対するみんなの印象を、エルバはこのことでほとんどつかめた気がした。