二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来オリキャラ募集 ( No.89 )
- 日時: 2010/07/02 05:21
- 名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)
楽観
エルバがへブラスカと出会った日の夜、エルバは学校の寮にいた。
教団の学校には、教団ビルと同じような寮があり、生徒は全員そこに暮らすことになっていた。
ふいに、扉をたたく音がした。
現在消灯時間である。
「ん…だれ?」
すでに眠かったエルバだが、流石に放っておくわけにはいかなかったので扉を開けた。
「ようエルバ、中入れてくんね?」
「バノ…?」
中に入れると、バノはなぜ消灯時間にここに来たか教えてくれた。
「…は? 鍵を落とした?」
「うん〜、校内のどっかなんだけど、何処で落としたか当てがないんさ。今日だけ泊まらせて?」
「僕にとばっちりが来るじゃないか」
「ばれなけりゃ大丈夫さ」
座っていた二人だったが、バノはエルバがいいと言う前に持ってきていたキャンプ用寝具を広げ始めた。
「エルバの部屋って意外とシンプルだな、CDプレーヤーとかまだ買わないの?」
「…買う予定もないよ。歌とか歌手とか分かんないし」
バノは目が飛び出しそうなほど見開いた。
あまりの迫力にエルバはちょっと引いてしまった。
「歌手と言ったらマイ〇ル・ジャクソンに決まってるさ! お前マイ〇ル・ジャクソン知らないんか!?」
「い、いや知ってるけど…」
騒がしい二人(怒ってるのは一人)を沈めたのは人の足音だった。
布団と寝袋にくるまって物音を消してばれないようにした。
足音は遠くに行ったようだ。
「…ところでエルバ? おまえへブラスカにあったんだっけか?」
不意に小声でバノが話しかけてきた。
「うん。そうだけど…?」
「イノセンスに触られたの、気持ち悪かった?」
「エレベーターのが気持ち悪い」
バノが寝袋でシシシと忍び笑いをした。
「そういやぁ、適合率の話ってされた?」
「てきごうりつ?」
「あ〜。カーンのやつまーだ教えてないんか。ここじゃそれくらい知らないと口げんかで負けるぜ?」
エルバが口げんかなんてすることはないと思うけどと思いながら、適合率について聞いた。
「適合率ってのはな、イノセンスと適合者とのシンクロしている割合のことをさすんさ。割合が高ければ高
いほど能力を最大限に活かせるし、低ければ低いほど適合者自身が危険になる。ちなみにオレは79%さ」
自慢げに寝袋からピースをしても、エルバからはバノがアホっぽくて仕方ない。
「なーに笑ってるんさ」
「バノに寝袋とか…あははは!!」
「わっ笑うんじゃないさ!」
扉が勢いよく開く。
「おまえら、消灯時間はとっくに過ぎてるぞ」
「「…すんません」」
トールには頭がそんなに上がらない二人だった。