二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン【クールな2人の物語】 ( No.22 )
日時: 2010/06/15 22:26
名前: 日奈 ◆Q2X1KHpOmI (ID: dRBRhykh)

第6話   過去(希沙羅)

〜希沙羅SIDE〜
由羅衣を傷つけないためにサッカーという名を口にはしない。なのに、今、口にしようとした。
きっと、サッカーが好きだからだ。
そうなんだ・・・。
隠すのは辛い。
大好きなものに“嘘"をついている。
それは事実だった・・・。

—過去—
「天才FWサッカープレイヤー(少女)とは、赤雷希沙羅、君のことかね?」
見知らぬ男に声をかけられ、後ろを振り返る。
「そうだ。だがそれがどうかしたのか」
「帝国学園や世宇子中サッカー部を率いる者だ。君に用がある。いいかね?」
「・・・?!」
始めは驚いた。帝国と世宇子サッカー部を率いる、あの、あの影山が、俺に用があると言ったから。
「君には私の自信作になってもらう。そのために私のところへ来なさい」
命令口調で正直ムカついた。だけど俺は、今よりもっと強くなれると思い、影山について行った。


そして特訓・・・練習の日々が始まった。
始めは、普通の監督だと思っていた。
俺と影山、1対1で練習をしている。帝国や世宇子の奴らと会える!と思っていたら、そうではなかった。
普通の練習、普通の監督だと思っていたのが間違いだった。
あまりにも練習量が多すぎる。“普通じゃない”。
1日中練習をし、ろくに食わず、飲まず、休憩がない。
おかしい・・・。いくら自信作といえども、これはない。
そんな日が続いた日、影山は俺に苦痛を与えた。
「赤雷、お前には毎日のように練習時間を与えているだろう。なのになんだ!ろくにシュートを決められないじゃないか!」
絶望した。
俺は・・・あんたのために頑張ったよ。それなのに・・・
「ごめんなさい。もっと・・・もっと強くなります。そして・・・「お前はもう必要ない」」
「・・・え?」

必要ない?

影山に見捨てられたらサッカーをする意味がないじゃないか。
「サッカーをするたびに、不幸が訪れることを、承知しておくんだな!」
サッカーをしても何もいいことなんてない。
それどころか、
裏切り、
不幸、
絶望、
それを繰り返していくだけなんだ・・・。



—続く—