二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ】Let’s! VOCALOBAND!! ( No.164 )
- 日時: 2010/06/29 18:08
- 名前: 瑞夜 ◆aUgcx1Sc9Q (ID: COldU63y)
- 参照: http://目指せ! サマーコンサート! 日が近くなってるよ!!?(驚
裏を返せばフォルテシモⅢ
曲は進みに進んでいきました。
少年と少女は紙飛行機を通し、メッセージを伝え合い。
少年は少女、自分と話す相手が居る事に歓喜をする。
しかし、そんな中少女は去ってしまう。
絶望に駆られる少年———
そして。
現在吹いているシーンはラスト名場面。
少年がガス室の中で、せめて最後に少女と話したい。
と、願う悲痛なシーン。
動画などでは此処が良く泣ける、という人も多いそうです。
お願い。もしこれが最後ならば。
僕と あの娘と 話をさせて。
「…………」
小島先生にしては珍しい、思案する表情。
しかし今はそんな事を気にする事は出来ず、曲は進んでゆきます。
何となく、吹いている途中で分かりました。
この曲は一つじゃない。
紙飛行機があって一つなんだ、と……。
囚人は少年の悲惨さを語っている。
だから、哀しさを出す為、迫力を出す為に金管楽器を。
紙飛行機は少女の淡い恋と哀しみを語っている。
だから、淡さを表すため、木管楽器をパートごとで分けたんですね。
ただ、それだけだったのですけど。
でも壮絶なラストを彩るには十分な気付きでした。
少年の、悲しみを金管楽器は表す、と言う事です。
———————♪ ♪♪ ♪
そして、曲は吹き終わりました。
小島先生は良かったよ、と言う風に拍手をする。
確かに2年生になって1年の時よりもマシな吹き方は出来る様になってました。
こう言うテストをすると、実力が分かるものなんですね。
ふと、そんな事を思いつつ小島先生の話を聞く事にした。
「良かったよ! まだ練習する所もありそうだけど、曲のイメージがばっちり掴めてるね!」
さっき、ですけどね。
曲のイメージを掴んだのは。
小島先生にしては珍しいと言うかまともな意見だと思いました。
……と言うか、疲れました。
曲のイメージを使って吹くって疲れるんですね。
と言う普通の感想は次にして崩れました。
「こう言う風に言うのも変かもしれないけど、哀しさ?って言うのかな……うん、どっちかというと感情?まぁ、それはとにかく……その、ね?何て言うのかなー……?でも、少年……って言うのかな……それを表すのが上手いと思った!」
長いんですけど、先生!?
小島先生にしては珍しいまともな意見って何か、無いんですね。
もう小島先生のまともな意見期待しませんよ?
ちょっとでも今回限りまともかな、と思った私がおかしかったんでしょうか……
「あ! 少年の哀しみだけじゃなく最も強い?所を表せていたと思うよ!」
フォルテシモ
……最も強い……?
随分変わった詩的表現ですね、と私は内心毒づく。
と言うか何が言いたいんですか、結局。
「……とりあえず、合格で良いですか?」
「あ、うん合格合格! それと今週の土曜日、2、3年の初1日練習あるから宜しくね!」
……はい?
今何か聞き取れない部分が合ったんですけど……?
「……えっ?」
私は一応もう一回聞いてみる事にしました。
けれども、期待というか予想通りの答えが返ってきました。
「今週の土曜日、1日練習あるからね!」
……最後の最後までふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
もはや1日1回は確定してるんじゃないか、と思う位叫んでいる心の叫びが発動しました。
……1日練習、お分かりでしょうけど土曜日の午前・午後練習。
……小島の野郎。
内心、教師のニックネームには間違いなく採用されない名をぽそりと呟いてしまいます。
少年の哀しみを、悲痛に裏を返せば少年の最も表すべく感情を最も強く(フォルテシモ)し。
曲は一旦、終わりを告げました。
裏を返せばフォルテシモ END