二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ボカロ】Let’s! VOCALOBAND!!短編Ⅰ終了! ( No.195 )
日時: 2010/07/10 21:05
名前: 瑞夜 ◆aUgcx1Sc9Q (ID: COldU63y)
参照: http://目指せ! サマーコンサート! 日が近くなってるよ!!?(驚

急いで更新しなければ〜;

第二音楽室のピアニシモ Ⅲ

まさかのまさか、ですね。
大抵こう言う時は天然野……小島先生を彷彿すべきでしたが、正直驚きました。
けれど、怪異の原因が寡翠先生ならば……

一体、どうして……?

「……よし、ユキちゃん。行きましょう」

ナギちゃんはベストタイミング、と言わんばかりに喜んでいました。
……って、あれ?
行くって何処にですか、ナギちゃん。
ある意味ナギちゃんも天然……なんでしょうか。
だとしたら相当天然運に恵まれてますね、私は。


「……え、まさか後を追うの?」
「違いますよ! 真相究明です!」

いえいえいえいえいえいえいえいえいえ!!!
私達の真相が究明されちゃいますよ、ナギちゃん!
この状況の何処がベストタイミングなんですか、天然!

「寡翠先生! 涼音と桜音です!」

あ。
もう。
遅かった。

……と言うかなり行を使うほど、スローモーションで寡翠先生が振り向きました。
先生、それは無しです。
いや、私達がこんな時間に訪ねる事自体無しなんですけど。


「……何でこんな時間にいるの? 理由があるの?」
寡翠先生は当然とも言える反応を示しました。
ナギちゃんになら言い訳の考えくらいあるんでしょうけど。
これが小島先生じゃなくて良かったのか良くないのかいい加減、分かりませんね。

「最近ある怪異で、私の家の周辺から凄い苦情が来ていて……調べようと思ったんです」

いかにも悲痛な表情で語るナギちゃん。
演技とは、何と恐ろしいのかを語ってくれますね。

しかし寡翠先生には思ったより効果がありました。
貴方も意外と天然なんですね。


「そっか……じゃあ今回だけだよ? 第二音楽室の鍵は第一音楽室前の机に置いてあるから」
「はい! ありがとうございます!」

キラキラ、と効果音が着きそうなほど笑顔になるナギちゃん。
私も軽く会釈をして、急いで第二音楽室へ向かいました。
と言うか、机に鍵を放置するって以外に無用心ですね。


「ナギちゃん、理由は考えてきたの?」
「いえ、即席で作りました」
あら、凄いですね。
カップラーメンもきっと卒倒ですよ。
ややナギちゃんに恐ろしさを感じつつ階段を上りました。

「此処みたいですね……」

ナギちゃんは少し息を切らせつつ第二音楽室前へ着きました。
私は少し先に辿り着き、ナギちゃんを待つ形で後ろを向いてます。
第一音楽室へと行っていたナギちゃんは右手にきちんと音楽室の鍵を握ってました。

「じゃあ、もう開ける?」
「……ちょっと待って下さい」

ナギちゃんは少し考える表情をすると、鍵を近くに置き、少し溜息を着きました。
どうしたんですか、ナギちゃん。
私はツッコミを入れる事は無くナギちゃんの次の発言を待ちました。


「その前に怪異の音を確かめませんか?」
「怪異の音? あぁ、楽器か泣き声かって事?」
私は疑問に疑問で返す。
ナギちゃんはそうです、と言うと近くの教室を指差しました。

あぁ、あそこに隠れろって事ですね。
私は仕方ない、と溜息を着くと幸い開いている教室に隠れました。
正直、不安だらけですけど。


〜♪〜〜♪〜〜〜♪

「!!」

教室に入った瞬間、待ち構えていたかの様に第二音楽室から音が鳴り出す。
ナギちゃんは想定もしない出来事に心底驚いた表情で第二音楽室を見ました。
音は本当に弱々しく、良く聞いていないと聞えなさそうな音です。

……あれ?


もしかして……

「……! この音は……」

私は、驚愕と言うより恐怖と言う感情を示していました。