二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 《銀魂》凛として咲く花の如く ( No.231 )
日時: 2010/09/13 21:26
名前: 月兎 (ID: 3ePGpESz)

第十五訓「ぬいぐるみ持つとき大抵首絞めてる」


「早く行って来いっっ!!」
その土方の言葉に耳をふさぎながら

「土さんも行ってきたらどうですか?俺とまっちゃんは残ってるんで」
由江壱がぐたっという音がしそうな感じに顔をふ抜けさせた。

「なんで耶麻まで残るんだ?」

「話し相手がいなくn『土方っ』


          …兎さん?」
由江壱の言葉の途中で表から声がした、穂乃嘉を迎えに行くと言って出て行った兎さんこと無兎だ。

「どうした!」
声に反応した土方の後に続いて総悟、由江壱、アリス、耶麻と外に出ていく。


『無兎どうしたの?トシ大きな声で呼んだりして…』


すぐ外に出るとそこには無兎の顔を横から覗き込み聞く。
右手はふさがっている。

いや、掴まれてるわけじゃなくてその逆。
掴んでいるのだ、小さな小さな白い手を…


「穂乃嘉〜♪おかえり♪」
アリスが傘をクルクル回しながら穂乃嘉に近寄る。

「どうしたんですかィ…って」

「その…」


「   子供誰なんですか?」


息ピッタリで合わさったその言葉に穂乃嘉は言う。

「うっと、同士だよ?」
…。


「同士っていうのか?」
嫌、違うだろ。

そのボケっぽいような言葉にケラケラと笑いながらしゃがんでその、他称『同士ちゃん』と目を合わせる。

「アンタ馬鹿なわけ?よく見なよ」
無兎が軽蔑するような目で見る。


「この子は迷子の迷子のゆーひ♪」
テンポをつけながら歌う穂乃嘉の言葉に総悟が気付いたように言った。
「このガキんちょ、もしかして光陰通の雪羽氷かィ?」






「あ」

「この子が!?」
皆が一斉に下を見る。
黒い着物で兎のぬいぐるみを手につかんだ少女は表情一つ変えず口を紡いでいた。



そして一言。



『ワシに関わるといいことは無い、お主ら、死ぬぞ』


その淡々とした少女の声に顔を上げ不審な顔をした。

「どういうことだ」



『言ったままじゃ、ワシに触れてるお主…これ以上かかわると刺される。



釧刺しじゃ、腹をな、刀で、こう…』

そうやって見せたのは手に握られていた兎のぬいぐるみの腹を着物の袖から取り出した万年筆で刺した。

穂乃嘉は顔を険しくしてからもう一度少女に目をやった。