二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 《銀魂》凛として咲く花の如く ( No.304 )
日時: 2010/09/25 21:22
名前: 月兎 (ID: 3ePGpESz)

第二十三訓「人間警戒していれば慎重に」


—   —

万事屋が屋敷に到着する少し前。
『…というと?』

『分かってるだろ?あ奴らを始末し、雪羽氷を取り返すんだ』
揺義も知ってのことだ、だか彼はあえて聞いた。


妹を助けるために


妹にばれないように、と…

—    —


「見てくるアル!一発殴らないと気がすまないネ」
新八の話を聞いていた神楽が手をぶんぶんを振り回しながら神凛が入って行ったという家に向かって行く。

「神楽ちゃん!何か理由があったかもしれない、神凛さんも!」
新八は咄嗟に神楽の後を追いかける。

「理由なんて知らないアル!とりあえず殴るネ」
こうなったら神楽は人の話を聞かない。
新八は諦めたように溜息をついてから家を見た。
「おい、テメーら!


         …ったく」

銀時は二人の様子を見ていたが、神凛がいると聞いて雪羽氷をおぶると走って追いかける。

立ち入り禁止、そうは書いてないので。

常識は通用しないのだ、彼らには。
「…行っちゃいましたぜ、土方さん」

「知るか、別に何と言われようと俺らのせいじゃねぇだろ」
煙をはく、そしてもう一度煙草を口にくわえて横を見る。
「お前はいくなよ」

「流石に行かないって♪」
アリスの逃走癖に目を光らせての土方の言葉、アリスは笑って答える。

「其れ何か、愛の告白っぽいです土さん」

アリスの後ろから顔を見せたのはココにいる筈のない由江壱だった。
「なんでここにいんだ!」

「え、つまんなかったからですけど」
その後暑いし、車。と道路にとまった真選組の車を指さす。

中には耶麻と穂乃嘉、無兎の姿が見える。
…あんなにいて暑くない訳ないだろ。

「無兎はなんであっちにいるんでィ?」
「ゴッさん泣かせたんで」

ゴッさんこと近藤がはみ出ていた、電柱から。
うめき声が聞こえるのは気のせいじゃなかったのか、土方はそう思った。
だが行くとめんどくさいので、行かないことにしました。
終わり。

「作文♪」





「出てこい月兎娘ェ!!」
神楽が思いっきりドアを開け、ない。
ゆっくりと慎重に開けていく。

「あ、以外にアレなんだ」
銀時は呟く。

「扉蹴ったりしないんじゃな」
それに銀時の背から声を出す。


扉を開けた先は薄暗い。
人の影がうっすらと眼に映った…

「神凛?」
銀時が影に向かい言う。

影はユラリと動くと声を発した、先程聞いた声。
「あ、銀時。」
お探しで殴りたい相手現在№1の神凛だった。

「おいっ、こっちこいやァ!殴ってやるネ!!」
神楽は高々と拳をあげるが、それには笑い声が聞こえてきた。
雪羽氷は影をにらんで、銀時は不自然そうに首を捻り、新八は神楽をなだめている。

「殴られるより痛いことしちゃったし、いいよ」


影が大きくなり、神凛の姿になる。

神凛の手からは紅い液体がしみ出ていて、もう一方の手にはナイフが握られていた。
「!?」

その神凛の奥にもうひとつ影。

『いや、ビックリしましたよ』
男の声、優しそうな声なのにどこか狂気を感じさせた。


『まさかナイフを素手で止めるなんて』
男の眼は紅く光っていた。





「あ奴じゃ、椿幸の部下…揺義、何をする気だ?」
雪羽氷は紅い目の男、錨 揺義に話しかける。

『何もしませんよ、何もしないけど何かやります』
やります。

殺ります。


「なるほどな、そういうことかよ」