二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 《銀魂》凛として咲く花の如く ( No.334 )
日時: 2010/10/04 19:00
名前: 月兎 (ID: 3ePGpESz)

第二十五訓「十九訓で夏場のサンタどうしてるの?って言ったけど夏にクリスマスのある国もあるらしいよ」


「依頼…ですか?」
新八は神楽の怒鳴り声に続いて発言した。

『そうです、頼み事はただ一つ。雪羽氷様を連れて少しの間隠れていてほしいんですよ、椿幸様に見つからないように』
揺義は前もって用意していた言葉を淡々と続ける。
彼はほんの少し前まで敵であるかのような接し方をしていた万事屋一同に何の躊躇いもなくそう言った。

「隠れる?なんでそんなことしなくちゃいけねーんだ」
銀時は聞く。

『分かっているのでしょう?雪羽氷様はこのままだと一生椿幸様に縛り続けられて、利用される。俺はそれを防ぎたいんです』
その言葉を口に出した時の表情はどこかいつもと違う影のある笑顔だった。

「テメー、どういう気?」
神凛が目を光らせる。

「殺しをすると思いました?って自分で言ったの誰アルか!」

『こうするしかないんです、俺は椿幸様の執事というより雪羽氷様の執事なのですよ』
ナイフを手にした揺義は決意の表れなのか、一度も扉から目を離そうとはしない。


銀時がゆっくりと口を開けた。


「神凛が言ったろ、本気じゃないのに殺すなんて簡単に言うのは止めろってよォ。テメーは今簡単に死んでもいいって思ってるだろ…?そりゃ間違いだ。



悪いが依頼はノーサンキューだ」


ここで初めて揺義が視線を銀時に向けた。
そして
『じゃあ、しょうがないですね。依頼は撤回します、ただ…貴方達には迷惑をかけません、なので《今すぐ帰ってください》』

「そう言う事を言ったんじゃないネ!」
「揺義さん、僕達は帰りませんよ」

「もっと真面目に勉強しなさい!国語は1かコノヤロー!!」
神凛が銀時っぽく言った。
本当に彼女の言葉の可能性もなくは無い。

「コイツらの言う通りだ、俺達は悪いが依頼は受けないが帰らないし、雪羽氷をち○このところに行かせる気もねェ」



「お主ら…」
今にも泣きそうな声で雪羽氷は見渡した。

「ここからは二人組で行動じゃー!雪羽氷を守るぞ、オラァ!!」
高々と片手を天に向けて、いや屋根に突きあげたのは
神凛。
揺義は少し呆気にとられたように口を開けていたがすぐにニコニコと言う。

『本当に面白い人達ですねぇ、でも依頼じゃないので金はいりませんね』
上げ足を取るかのような揺義の言葉に銀時は凄い勢いで振り返った。

「何ィ!!これは命をもかかってる依頼だぞ!二倍だろーが!」

『依頼はノーサンキューじゃなかったでしたっけ?』

何か言いたそうな銀時をさておいて神凛が言う。
「じゃあ、銀時とメガネでしょ。私は雪羽氷と一緒に行動するから…テメーはアルアルとで」
テメーと言い目を向けたのは揺義。

何か反論しそうだった神楽だったが、珍しく何も言わなかった。

「手分けして探しましょう」
新八が言うと銀時がおう、と言って後にした。
「雪羽氷、おぶろうか?」
神凛が雪羽氷に目を向けると雪羽氷はフルフルと横に顔を振った。

「大丈夫じゃ、早くあの男を探しにいくぞよ」

その言葉に
「つーことで、アルアルとひつじ、後頼むわ」

『ひつじじゃないです』
その揺義の言葉を最後にドアの閉まる音で取り残されたのは神楽と揺義だけになった。

『…行きますか、俺達も』
揺義が言う。

それに神楽は
「いやちょっと待つアル、お前に聞きたいことがあるヨロシ」
そう言って、ひきとめた。