二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 《銀魂》 凛 と し て 咲 く 花 の 如 く ( No.361 )
日時: 2010/10/31 19:38
名前: 月兎 (ID: dD1ACbVH)
参照: 銀時誕生日スペシャル

《閑話篇》
第参訓「誕生日おめでとうとか俺が老けていくのを喜んでるんだろコノヤロー」

…え?
何、今頃なんだってか?
何見て銀時の誕生日思い出したんだって、それはちょっと言えないんだけど。
いや、もう何も言わないでェェェ!!
この会話まるまる忘れてね!頼んだよ、マジで。



『…アルアル』
『何アルか月兎娘…』
万事屋内、神楽の部屋。
というか押し入れの中に今日は一人客が招かれていた。

招かざる客的な感じだが、今日は違った。

『今日は一時休戦だぞ、分かってんな』
なんだか見ただけでは仲がよく見える、本当はどうだか。
『…もちろんアル、今日は何の日だと思ってるアルか』


『『今日は、今日は!!ぎ「オイ、そんな狭いとこで何やってんだ」

「「!!」」
言葉の途中に襖が開き、暗闇に光が差し込んだ。
顔を出したのは銀時、仲の悪い二人が突然一緒にいなくなったらそれは疑問に思うだろう。

「なんだよ」

「なんでもないアル」
しれっと言う神楽、だが押し入れを出ようとはしない。
『メガネのヤローなにしてんだよ…』
その神楽の言葉にかぶせるようにボソッとつぶやいた神凛。

その後すぐに
「銀時こそレディの部屋を勝手に見るなんて、ふしだらー銀時えろいー」

「こんなの部屋じゃねェだろーが!!」
銀時はたくっと呆れ混じりに言って去っていく。


その後すぐに部屋、もとい押し入れに顔を出したのは新八だった。
「神楽ちゃん、神凛さん、銀さんに凄い怪しまれたんだけど」

「銀ちゃん自分の誕生日忘れてるアルか」
「もう老化が著しく始まってるね」
言い訳じみに言うと二人は押し合い気味に押し入れをでた。

「そろそろ、いいんじゃないかな?」
新八は床に転がっていた目覚まし時計を手に取ると二人に向かって言う。
「…そうアルな、そろそろ銀ちゃんの腹の虫が時間をお知らせするネ」

神凛はよく知らないのだが、神楽案によると3時のおやつの時間、間食をしていなければちょうど銀時が甘いものを欲する時間なんだとか…

「本当なの?」
ちょっとの不安交じりに言った次の瞬間、楽しみに待っていた言葉が聞こえた。

『おーい、新八ィなんか甘いものー』
でたぁ!
皆の眼が光った、かのように見えただけ。

「マジじゃん、アイツ糖尿でしょ」

「マジって言ったアル」
「とっくの昔から糖尿ですね」

そんなことを言いながら一斉に銀時のいるリビングへ向かう。



「揃いもそろってなんだテメーら、俺のおやつはあげねェぞ」
テレビから目を離さずをそう言った銀時を神楽はフフンと鼻を鳴らして笑った。

新八は金を集めた、というか結局は少ない給料=銀時の金でもある。
…を使って、買ったケーキを準備する。

そして、神凛が電気を

け・し・た

「?!」
銀時はいきなり部屋が暗くなったのに驚き辺りを見渡す。
それに応じて神楽がテレビを消して、明かりを失くした。

「な、ななな、停電じゃね!?お、お、おい!」
怖がりがもろに出てしまった。

それも関係なしに、新八はさした5本の蝋燭に火をつけた。
そしてお決まりの

「「「はっぴばーすでぃ、つーゆー
 はっぴばーすでぃ、つーゆー
 はっぴばぁすでぃ、でぃあ」」」

「銀さーん」
「銀ちゃーん」
「ぎーんときー」

「「「はっぴばぁすでぃ、とぅーゆー!!」」」

それに銀時は口をポカンと開けて見て、聞いていた。
「え?」

「ほら銀ちゃん、消すアル!」
ケーキを机に置く新八。
神楽と神凛はその横に座った。

「消さないと私が代りに消しちゃうぞー」
神凛が空気を吸った。
その空気を吸う音で銀時はあわてたように言った。
「あ、まて、俺が消す!」

すぅ、っと息を吸った。


『ワンッッ』


定春のくしゃみ交じりの泣き声で消えたか、銀時が消したかはわからない。
けれど、蝋燭が消えて神凛が明かりをつける。

次に電気がついたときには…

「「「「「「はっぴーばぁすでぃ!!!」」」」」」

なんだか人数が増えていた。
「なんだいなんだい、私たちだけだと思ったら」

「コンナニ居ルジャナイデスカ!」

「銀さんの誕生日パーティに私を呼ばないっていうのはどういうことなの?」

「猿飛さん、お呼びじゃないのよ。消え去りなさい」

「万事屋!今日はお妙さんに呼ばれてきたんだ、色々持ってきたから食べろ!」

「ゴリラ、読んだ覚えは無いのだけれど、死になさい」

「あ、銀ーバカから何か届いてる」

「旦那、ケーキ貰ってもいいですかィ?」

「おー旦那!チョコ万歳!!これ俺の為でしょ」

「銀時の誕生日だと?聞いてないぞ、俺はファミコンを皆ですると聞いてきたのだが」

「だれもそんなこと言ってねぇし!」

「桂ァ、何でここにいんだ!!」

「騒がしい。甘いものあるのに煩い」

「今日はいいじゃん♪」

「マヨは帰ればどうですか?」

「神楽ちゃん、今日もかわいいねー」

「何言ってるアルか」


「いやぁ、いっぱい集まったね銀時」
神凛がそんな光景を見て言った。
「はんぱねェよ」

少し呆れてはいたが、楽しそうに微笑みながら言った。

神凛は勝手に食べられているケーキのろうそくを取った。
「そういやなんで5本なんだ?」
それには神凛が笑って言った。



『仲間からの思いを込めて!!』

去年は4本だった蝋燭が一本増えた。
ずっと疑問だったが今日で晴れた。

幸せも傷も何もかも一緒に分けあう仲間が今年は一人増えていた。


「なるほどな」
神凛は嬉しそうにして蝋燭を並べた。
銀時、新八、神楽、定春、そして神凛。