二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 《銀魂》凛 と し て 咲 く 花 の 如 く ( No.390 )
- 日時: 2010/10/16 18:26
- 名前: 月兎 (ID: dD1ACbVH)
- 参照: 今日と明日で妖視篇終わらせる!やればできる!
第三十訓「約束を守る奴は憎めない奴が多い」
「小娘?私を小娘といったかコノヤロー」
ニコニコと笑いながら神凛は刀を椿幸の喉につける。
「ひっ」
なんとも恥ずかしい弱い声が漏れだした。
「何故だ、何故ワシが!!どうしたっ、何故そこで見ているだけで何もしない?!」
椿幸が戦っていた部下たちに怒声をあげるが、等の部下は怯えたようにして刀を地に落としていた。
「自分等を忘れてるよ?」
声が響く、その声の主は部下の後ろから姿を現し、それを筆頭に次々と姿を現したのは真選組だった。
「貴方、注意力0だね♪」
アリスはいつもの如くをういうと部下へ向けていた刀を持つ反対の手で手錠をかけた。
「ついでに状況反射もないよー、ね。王子」
そう言う由江壱もアリス同様手錠をかけ、先陣を切った無兎も又部下を一人、捕まえていた。
王子、そう呼ばれた総悟。
姿は無かった。
『ホントでさァ、ね。土方さん』
『ああ、全くだ。前に気を取られ過ぎたな、彪樫 椿幸』
振り向けない椿幸は後ろから聞こえた声に驚いたように目を見開いた。
「な、な…何故だ、何故…揺義!!」
危機に落ちおると今まで通り、右腕の部下の名前を呼んだ。
彼は、いつもと違う笑顔ではなく少し寂しそうに笑っていた。
「ごめんなさい、すいません、椿幸様。感謝してます、雪羽氷様のことも。自分のことも。
でも、これ以上貴方の命令は聞けない」
その揺義の言葉によって、椿幸は床に膝をつきその敗北を認めた。
—
『ワシは、自由になったのか?』
「はい、雪羽氷様。貴方様はもう自由です、ですから何処へ飛んでいってもいいのですよ、広い世界を見て、広い空を見てください」
揺義—もとい雪羽氷の兄、妖 雪揺義はそう言った。
雪羽氷は彼の姿を見て言う。
『揺義、お主はワシの兄に似ておる』
《おにーちゃん》
《?》
《もしも自由になれたらどうしたい?》
《自由、か。雪羽氷は?》
《私は。私は、何処かへ飛んでいきたいな。
広い世界を見て、綺麗な空を見て、そんなことのできる鳥になりたい》
《そっか、そうしたら俺が雪羽氷を自由にする。
何処にへでも飛んでいっていいんだ、広い世界を見て、広い空を見るんだ》
《うん!ありがとう、おにーちゃん》
「そうですか」
彼はいつも通りの笑顔で、そして雪羽氷はあまり見せることのない笑顔で向かい合った。
—
とある、どこか。
何処かと言ったらどこか。
『朱里、お主今までどこに行っていた?』
黒髪の長髪の男と一人の女が話していた。
『うーんと、正義なことしてきた』
『なんだ、それは』
『男前なことしてきた』
そういって笑って、男の隣にいた謎の生命体を見ると言う。
『エリザベス、ヅラは何してたわけ?』
エリザベスと呼ばれたそれは看板を出す。
《正義なこと》
—
—
「神凛、お前大丈夫か?」
「いつまで気にしてんだよー、過去の最強と呼ばれし月兎族なめんなボケ」
神凛の血だらけだった血はすでに乾いていたが、痛々しさは血の量で見てとれる。
「見直したアル、神凛」
神楽が少し照れくさそうに言う、この時初めて名前で呼んだ。
「神楽もな」
神凛は神楽から目をそらして言った後すぐに銀時の声を聞く。
「日常茶番時ってどういうことだ?」
戦闘中に言った言葉。
「言葉の通り、ここ来る前は毎日あんな感じだったわー懐かし、っていう」
軽く言うが、彼女は無表情で銀時と目を合わせない。
「お前、まさか」
「まっさかー、って何が?私過去の財宝だから」
目を合わせた神凛は笑顔だった。
『許さない、全部壊してやる、こんな世界』