二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 《銀魂》 凛 と し て 咲 く 花 の 如 く ( No.412 )
- 日時: 2010/10/21 17:36
- 名前: 月兎 (ID: dD1ACbVH)
- 参照: 妖視篇 完結
第三十二訓「裏の見えないところで活躍する奴こそ輝いて見える」
新八は神凛に雪羽氷を頼まれた後、神楽達を探すのと安全な所へ逃げるのにひたすらはしっていた。
そんな、神凛や銀時が奮闘していた裏で起きていた感動のストーリーとは一体?!
『銀魂—凛として咲く花の如く— あの事件の裏で』
「はい、おっけー!」
大層なナレーションを入れて、監督の井出達で合図を出したのは朱里。
「なんですかコレ!」
新八はすかさずつっこみを入れるが朱里は全く動じず言い放つ。
「まぁまぁ、ダメガネと私は会ってないんだから気軽にツッコまない!とりあえず最初にあんま場所とれないからすぐ行くよ!」
「いやいや、これ閑話でやるべきことじゃないんですか?!」
すると突然胸倉を掴まれ大きく揺さぶられる。
人物を確認しようと、新八はメガネの位置を正した。
「貴様ァ!俺達の活躍をそんな番外編にしたいのか!」
桂がいた。
「か、桂さん!」
「あー、分かった分かった。とりあえずさ、場所貰ったんだし本編でやっちゃおう!」
朱里が満面の笑みでそう言うと目の前が真っ白になる。
『回想、スタートォォォ!!』
看板にはそう力強く書かれていた。
*
「ヅラ、あたしちょっと用事できたから」
朱里は『殺し』の依頼を何故か受けた後、この頃行動を共にしている桂のもとへ帰って来ていた。
「む?朱里、お主まで万事屋でも始めたのか?」
桂は蕎麦を啜っていた。
コンビニの奴である、この頃うまいとか言って買ってくるようになりましたとさ。
「いやいや、銀みたいなことは一切してないけど」
手をひらひらと振って、じゃあと続けてその場を後にした。
—
その場を後にした朱里は用事のある場所へ歩みを進めている。
「あー、殺しか。しないけどさ」
「そう簡単には」
一度人が変わったように静かな声で言い放ち、すぐに笑顔で声を出す。
かなり遠くの人間に向けて。
『ダメガネェェェ!!!』
朱里にダメガネと呼ばれた誰かも朱里に気付いたようで足を速めた。
「朱、里さん!?」
かなり息が上がっている。
「ダメガネのくせに王子気取りか」
凄い顔に影を出しながらどす黒い声で言う。
お姫様だっこをされていた雪羽氷を見てのことだろう。
それに気を止めずダメガネ、こと新八は言う。
「何でここに?」
「それはあたしが聞きたいんだけど、もしかしてち○こ?」
とか関わってる?
そうは言わなかったが、新八には伝わったようで大きく頷いた。
「やっぱか、うん。「なんで」
もう一度同じことを言おうとしたのが分かったのであたしはダメガネの息の根を止めました。
アレ?作文?つーか、息の根止めるのいいな。
「だって。そこにいっぱいなんかいるし」
朱里に言われて気付いたのか新八が振り返ると椿幸の部下が大勢で追いかけて来ていた。
「っ」
「必死だったんだ、新八」
ダメガネと呼ばず名前で呼ぶと朱里は徐に懐から小さな槍のようなものを取り出す。
「その子逃がさなきゃなんでしょ?えすぱーだからわかっちゃったわ、どぞどぞ逃げてくだせぇ」
朱里は真剣な眼差しで笑うという何とも彼女らしい顔で道を進める。
「でも」
新八は躊躇っている様子。
「新八の為じゃない、その子の為。お前が逃げずにここに残って何か変わるの?その子を守りきれる?」
「 」
新八は黙ってしまった。
朱里は滔々と続ける。
「あたしだって、お前を庇いながら戦える自信ない。というか、その子に見せちゃいけないもの見せることになるよ?
新八のやってることは「正義」だけど空ぶってる」
だから、続ける前に新八は歩み出して。
何とも申し訳なさそうな顔をした。
「すいません、朱里さん」
朱里は新八を上手く逃がして、息を一度はくと前を向いた。
「あたし、カッコイイでしょ?」
冗談を言った。
朱里の手にはすでに大きく伸びた槍が握られていた。
—
そしてそれを見ていた誰か。
誰かは微笑むと何かを連れて、どこかに歩み出した。
—
*