二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 《銀魂》凛 と し て 咲 く 花 の 如 く ( No.454 )
- 日時: 2010/10/31 19:38
- 名前: 月兎 (ID: dD1ACbVH)
- 参照: ハロウィーンスペシャル
閑話篇
第四訓「約束って流されるものだけ心に残る」
「とりっく、ぅおわ!とりぃーとっっ!!」
「は?」
神凛は白いシーツをかぶって銀時のもとへ朝一番で訪れた。
子供のような目で。
「は?じゃねぇー、はやくよこせや」
銀時は鼻の穴に指を突っ込んで気だるそうに言葉を返したが、その神凛に
「テメーまでババァの手先になったのかよ」
溜息をついた。
「…とりっくおあとりーと…」
英語を知らないようでかなりの不器用加減。
だが、神凛はいつもとはちょっと違った、いやいつもが違いすぎるのかもしれないが。
「なんだァ?その呪文、俺から金を取る為に取得したのか?どこの勇者に勝ったんだ」
今日は10月31日、ハロウィーンだった。
もうこの江戸にも定着はしている筈なのだが、忘れている様子で銀時は反応を示さない。
「…」
白いシーツを投げつける。
「んなっ」
大きくなびいて、シーツは銀時の顔に降りかかるり、神凛は机においていた二刀を手にその場を後にする。
「おいっ」
「忘れやがった、あいつ」
神凛は刀を腰につけると、無表情で玄関へ向かう。
すると、
『あ、神凛ネ』
神楽が姿を見せ、新八も顔を見せた。
「…何だよ」
「今、例のアレの準備してるアル、神凛も手伝うヨロシ」
例のアレ、とはハロウィーンのことだった。
神楽が魔女帽子を軽くかぶって神凛を呼び掛ける。
沈黙、神凛は俯いて言う。
「やんない、用事あるから」
「…んだヨ、連れねーアル」
神楽が襖を閉じる。
外は小雨が降ろうとしていた。
—
『ぎんときー、きょうなんの日よ』
誰かが手を大きく振りながら廊下を走り回る。
『きょう?あー、なんだっけか』
横目でぎんときと呼ばれた誰かは誰かを探す。
『しんすけー、きょうなんの日?』
ぎんときと呼ばれた誰かの目線の先に居たしんすけと呼ばれた誰かに近づく。
『知るか』
『しょーようせんせーの話、いちばん聞いてそーなのに…』
『…あれか、外国の行事』
しんすけと呼ばれた誰かが頬づえをついたまま呟くと、誰かは目を見開いた。
『そーそ、それ!はろうぃんとか、なんとか』
—
「銀さん、神凛さんどうしたんですか?」
新八は用意が出来たものを紙袋に入れ運び出しながら、聞く。
「知るかよ、こっちが聞きた…」
言葉が途中で行き詰る。
「?銀さん?」
「それ、何だよ」
お化けなどのかざりものを持った神楽を指さして、言い、それに神楽は
「銀ちゃん知らないアルか?ハロウィーンネ!」
神楽の言葉に、銀時は空いていた口を閉じた。
「ああ、そうだったけな」
(トリックオアトリート)
(お菓子くれなきゃ、悪戯するぞって意味です)