二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 《銀魂》凛 と し て 咲 く 花 の 如 く ( No.540 )
- 日時: 2010/11/25 18:29
- 名前: 月兎 (ID: kDmOxrMt)
第三十九訓「嫌なことは立て続けにやってくるものだ」
「銀ちゃん、銀ちゃん」
神楽がジャンプから目をそらさない銀時の周りを、そう言いながら回る。
新八はソファで何かにくぎ付けになっており、隣にいる神凛もまた持っていた紙から目を離そうとしない。
「銀ちゃん銀ちゃ「おいおい」
やっと反応が合ったかと思えば銀時は、驚いた顔を上げた。
神楽が疑問を抱くように首をかしげた時には新八と神凛も顔を上げる。
三人が見合わせた。
「「「マジでかァァァ!!」」」
神楽は状況がつかめず慌てるようにして口を開く。
「どうしたアルか、皆?!」
銀時が手を小刻みに震えさせてジャンプを床に落とした。
重く、鈍い音が聞こえその後に銀時の声。
「おいおいどういう事だよ、ジャンプで結野アナのページがあるなんておかしいと思ったけどよ…」
今週のジャンプ、普通に購入した銀時だったが飛び上がったのだ。
不覚にも、結野アナが出てきたものだから、マンガとマンガの間に。
「休養ってどういうことだよ、何がどうしたんだァァァ!!」
銀時はソファに音を立てて腰を落とし、たそがれた。
認めないとばかりに呟きながら。
「銀ちゃん、だいじょ「ああああ!」
神楽が声を掛けようとした瞬間に神凛のうめき声。
振り返ると頭を抱えて神凛がチラシを手で握りつぶしていた。
「どうしたアルか!」
「何か安くておかしいと思ったら、ぼったくられたァァァ!!」
チラシには鍛冶屋の文字。
二日前、神凛は自らの護身用に保持していたナイフを鍛冶屋へ持っていき磨きを頼んだのである。
「1000円で磨き安いと思ったんじゃん、何で潰れてんだよ!私のナイフ返せよコノヤロー!!」
そう、頼んで渡したまま二日後にその鍛冶屋が潰れたと言うのである。
神凛は銀時同様ソファに力無いように体を預け、首を落とした。
「…あのナイフ高かったって自慢してたネ」
神楽は同情するように神凛を見る。
「ああああああ!!」
後方から神凛同様にうめき声が聞こえた。
「大丈夫アル、二人とも気を落とさないでヨ」
神楽は神凛と銀時の横を行き来し、慰めるようにして言葉をかけた。
「お通ちゃんンンンン!!」
誰よりも大きい声で騒いでいるのに、相手にされない。
神楽は一度も目を向けようとしないではないか。
それに怒りの声。
「なんで僕だけ無視するだよォォォォォォ!!」
新八の、その叫びに神楽がやっと白い目で目を合わせてきた。
そして一言。
「うるせーんだヨ、どうせ好きなアイドルが食べすぎでゲロでもしたんだろ、信じたくないだけだろーがダメガネが!」
滔々と早口で捲し立てるが、新八は
「そんなことしてねェよ!そんなのするのお前だけだろ!というかお通ちゃんはゲロなんかし無いんだよ!」
「そんなのお前らオタクの妄想だろーが」
切り捨てるようにして神楽が言う。
「お通ちゃんだって、ゲロするんだヨ!」
意味のわからないところを大声で言うと、新八はそれを聞いて震えた声でもう一度言った。
「お通ちゃんの着物にシミが付いてるゥゥ!!」
テレビに映ったお通の裾にシミが付いており、それがアップで映ってしまっているのだ。
もちろん。
「「「どうでもいいんですけどォォォォ!?」」」
それどういう意味で呻ってたんだよ!
神凛が心の中でつっこんだ。
「あれゲロのシミ…「じゃ無いに決まってんだろォ!」