二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 《銀魂》凛 と し て 咲 く 花 の 如 く ( No.576 )
日時: 2010/11/29 21:22
名前: 月兎 (ID: kDmOxrMt)
参照: 色家篇突入だゼb

第四十訓「たまには息抜きすることも必要だ」


緊迫した雰囲気の真選組屯所内。

局長である近藤と副長の土方不在の大部屋には、沖田等や隊士が集められていた。
前列に胡坐をかく人物達。

「総悟、こんどっち何処行ったの?」
中野 穂乃嘉、今回は拉致されることも無くその場に座っていた。

「お偉方が来て、向かいに行ったんでィ」
沖田 総悟、穂乃嘉の隣に座っていた総悟は緊張感無くトランプの束を握っている。
「あ、揃ったでさァ」

「王子、捨て札から取ってるのばれてるんですけど!」
日咲 由江壱、総悟とともにトランプをやる彼は眼鏡を一度外して目を擦る。

その横で声を上げている人物。
「耶麻♪魔術かなんかでぱぱっとお菓子だしてよ♪」
「アリス、いきなりなんですか?!」
前者は九条 アリス、横に座る後者の罪木 耶麻に楽しそうな口ぶりで言う。

彼の魂の源は閻魔大王という、ありえないような真実を持っており魔術等を扱えると言う。
真選組隊士達は、それを知っており彼の力を使おうとすることも、無いとかあるとか。

「どうせなら自分にも甘いもの、出してくれるだろ?」
威圧感の有る口ぶりをしたのは、少し間を開けて耶麻の隣座っていた無兎。

錚々たるメンバー、いや。
前列メンバーのサボり様、もとい緊張の無さと言ったら無いだろう。

「無兎ま…『お前ら煩いぞ!』
耶麻が、続きを言う途中に襖があき、近藤の声が響く。

慌ただしく総悟と由江壱はトランプを自らの尻の下に敷き、前列含め隊士達が姿勢をただした。

「トシ、少しそこで待っていてくれ」

近藤が部屋の手前で土方にそう言い、自分だけが大部屋の前へ行く。
「分かった、近藤さん」

隊士全員が目を向け、胡坐をかき座った近藤は言葉を発す。

「今日、皆に集まってもらったのは上からの命令で、潜入捜査をすることになったということにある。」
突然の仕事に隊士達が口を開け始める。
小さな声で溢れかえり、騒がしくなった大部屋で声をあげる。

「近藤さん、上からの命令ってことは幕府の?」
総悟が問うと近藤は頷き、続けた。

「今、総悟が言った通り幕府のお偉いの家だ。潜入班として選ばれた者にはお手伝いの仕事という名目で行ってもらうことになる」
作戦内容が告げられ、前列組は目を見合わせた。
今まで潜入捜査で派遣された人材が揃っていたからである。

「誰が行くの?」
敬語を使うことなく言った穂乃嘉。
誰もが知っての内で聞かなかったことを、普通の疑問として聞いたのである。

「ん、そうそう!それなんだよ!」

だが、近藤は笑顔で言った。
「今回の潜入捜査から新しい仲間が加わることになったんだ、紹介しないとな」
そうして、トシと土方を呼ぶ声が響き、襖が開いた。

土方は煙草を口にくわえて、めんどくさそうに言った。

「ほら」
そう言われたと思われる人物が、その大部屋に現れた。
隊士たちも注目する。


『はじめましテ、新入りだヨ』


笑顔で言う、その少女は黒い番傘を片手で握り、異様な創作を加えた隊士服に身を包んでいた。

その少女が近藤の横までゆっくりと進み、立ち止る。

「幕府から来た、髑髏君だ」
髑髏と呼ばれた少女は長い三つ編みを揺らして、握っていた傘を開いて肩につけた。