二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂—凛として咲く花の如く— ( No.6 )
日時: 2010/08/05 18:10
名前: 月兎 (ID: QuEgfe7r)

第壱訓「掃除では自分の部屋で見覚えのないものが見つかることがある」

「銀ちゃん、銀ちゃん、ジャンプはどうするアルか」

「あン?あー、押し入れの中入れといて」

「銀ちゃん、銀ちゃん、腐ったチョコはどうするアルか」

「あー、お前の腹の中に入れといて」

「銀ちゃん、銀ちゃん、殺されたいアルか」

「あー、まさか、何時そんなこと言ったよ?」

「言ってるのと同じだろーがヨォ!!」

今日もまた万事屋は騒がしかった。
銀ちゃん—こと坂田銀時と銀時に向かって殴りかかるアルアル少女—神楽は今まさに大掃除中だった。

というよりか、汚くなる一方なのだが。

「おまっ、押し入れもう入んねェんだヨ!私の寝るとこなくなるアル!!」
いかにも、神楽の寝どころは押し入れの中である。

ドラえもんなのだ、これは一切関係ない。

「押し入れ、下片付ければまだ入るだろ。俺ァ、ちょっくらチョコ買いに言ってくるから後頼むわー」
手をヒラヒラと振りながら部屋を後にする銀時。

「ンだよチクショ—。私には腐った賞味期限切れたチョコしかくれないくせにヨー!」
そう言いながら神楽は手元に握られていたチョコを口に入れて自分の寝どこ—もとい押し入れに向かった。

「そういえばあのダメガネはどこいったアルか、まだ一回も登場してないネ。これ以上影薄くなっても知らないアルよ」
ダメガネ—志村新八もまた万事屋銀ちゃんで働いている一人である。

彼はツッコミである、彼がいないとお話ははっきり言って進まないのだが彼の登場はきっとまだまだ先だろう、多分。

押し入れを開けると布団の積まれた上の段と対照的に下には段ボールがひきつめられていて中にはかなり古そうな色あせた箱もある。

「こんなホコリっぽいとこを掃除するの嫌ヨ」
掃除とはそういうものだ。

「でももしかしたら凄いものがでてくるかもしれないネ!銀ちゃんはあんまり見せてくれなかったから今しかチャンスはないアル!」
神楽は軽々と段ボールも持ち上げると外へ運び出す作業を始めた。

押し入れにあった段ボールは合計で4つだった。

その一つ、奥の右に置いてあった一番古そうな段ボール。
上が少し破けていて傘の持ち手のような部分がはみ出していた。

神楽はそれに気付くとその段ボールを自分に一番近い場所に置いた。
「何アルか、コレ…私の傘にちょっと似て、」

段ボールからはみ出ていたその部分は傘の持ち手のようなもの、ではなく実際にそうであった。

神楽はその傘を引っ張りだすと上へ掲げて自分の傘と見比べた。
色こそ違ったもののそれはよく似た形をしていた—