二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 《銀魂》凛 と し て 咲 く 花 の 如 く ( No.645 )
日時: 2010/12/11 09:08
名前: 月兎 (ID: kDmOxrMt)

第四十四訓「家は大きくなくてもいい、家族も多くなくていい」

「はァ!?」
神凛は不服そうに大きな声をだすと横目で確認を取ろうとする。

「     」
すると銀時は聞いていないと言うように首を横に振る。

「そりゃ言ってないでしょ♪」
アリスが人差し指を立てて満面の笑みで答えるが、万事屋一同顔をひきつらせたまま固まる。

「てめェらそんなに嫌なら帰りやがれ」

土方のその言葉に新八。
「どうします?」

「やるに決まってんだろ!」
「なんでコイツらの為に私達が帰らないといけないネ!」
「お前らと違って金の為に来てんだよ!やべェんだよ!」
違っての意味が理解できないが、否定で強気な言葉を並べた一同。

真選組一同が話し出そうとしたその時。
屋敷の扉が開く音がした。
「?」

扉に目を向けるが人が出てくる気配がしない。
不思議そうに口を開く。


「今、開いたよね?」


そして、突然チャイムの音が響いた。

「王子!?」
由江壱が王子と呼ぶ、総悟がインターホンを迷いなく押したのだ。
「誰か居やすかィ?」


その言葉を言ってしまっては、その場の全員が静まりインターホン越しの相手の声を待つ。

『居てはいけないのかしら?』

声は女の声だった。

透き通った、そして冷静で無心な声。
「誰だ?」
いつもの如く土方が言葉を発したのを隠すかのように、耶麻が言った。

「何方でしょうか?私達はお手伝いとして来たものですが・・・」
相手は少し黙ってから口を開いた。

『私は色 白菜と言う者ですわ、色 いろは・・・母が家を開けております故、外に出ることが出来なく申し訳ありません』

「?」
外に出れない、という言葉に疑問を覚えたが何かを察した銀時が小さな声で囁いた。

「お嬢様だから勝手に外に出ちゃいけねェんだよ」

神楽は理解した様に首を縦に振り、神凛は真選組一同が見る扉を一緒に眺めていた。
「どうすればいいですか?」
無兎が発すると、インターホン越しの色 白菜という女は答えた。

『鍵を開けましたので、お入りください』

「いいんです……『おい。駄目に決まってるだろ』
聞き返そうとしたところ、白菜の声と違う男の声が小さく聞こえてきた。

『あら、何故?』
『もし危ない奴だったらどうするつもりなんだ』
『警戒しすぎですわ、この家に人が訪ねて来たことなんてあったかしら?』
会話が丸聞こえだが、屋敷の中にいる白菜と誰かが会話を続けようとする。

その誰かの警戒を解くために、新八が言う。
「怪しいものじゃないんです、張り紙を見て来たんですよ」

『張り紙?』
誰かが声でもわかるような、不信の声。


『いろはが何か頼んでたよ!』


新しい声、少し幼い無邪気な声がした。
屋敷内に三人いたことが分かる。

その声に男は、感嘆するようにして了解してくれた。
『なるほど、分かった。勝手に入ってきてくれ』