二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 唄い鳥 〜桜蘭高校ホスト部〜 ( No.2 )
日時: 2010/06/14 21:35
名前: さくら (ID: 50PasCpc)

「よろしくお願いします」


ぺこりと下げた頭。
まだ少し長い蜂蜜色の髪が、肩からはらりと流れた。



指定された席は、やっぱり一番後ろ。
縦横きっちり並んだ席の中、自分一人だけがずれていて、少し恥ずかしい。


窓の外では冷たい風がヒュウヒュウと鳴っていた。










「高村君はどちらの学校からいらしたの?」

「あ…少し遠くの方の学校です」

「高村君のお家はどんなお仕事をしてますの?」

「えっと…まだまだ小さな製菓会社です」



クラスメイトからの質問攻撃。
予想はしていたけど、興奮気味なクラスメイト達からの質問に嘘を重ねるのも、難しくなってきた。



(あぁ…授業が始まるまでまだ時間がある…)

「製菓会社といえば、篁家が有名ですわね」

「そういえば、高村君と同じ“たかむら”よね」

「篁家の方と、お会いしたことはありますの?」


突然投げ掛けられた疑問に、思わずサクラはギョッとした。


「…い、いえ!製菓会社同士ですから…そんな…」

「あ…そうですわね、私ったら…」

「ごめんなさい、高村君…」