遠くまで見渡せる屋上。自然や、人や、建物まで、いろいろ見渡せる。冷たい空気を吸い込み、口から吐く。別にイライラしてた訳じゃないけど、無性に歌いたくなった。「あれ…ねぇ、何か聞こえない?」「何?ハルヒ」「歌…みたいな…」小さいけど、とハルヒは続けた。窓をじっと見つめて集中すると、はっきりと歌だとわかった。「女の子かな」「「いや、男にはこんな声出せないでしょ」」きっと合唱部の誰かが練習してるんだよ、と言う馨の言葉を聞きながら、また教室へ歩き出した。