二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 鋼の錬金術師 〜約束の月光〜 ( No.14 )
日時: 2010/06/24 16:16
名前: 皇林 (ID: Nkq2fJCI)

 マリーはゆっくりと神殿に入って行った。神殿の中は外と違い、涼しい風がふいていた。マリーはリズムよく進んでいく。ずいぶん進んだのだろう。大きな扉が見えてきた。

「ここに入ればいいのかな……」

 マリーは緊張する心臓をおさえながらその扉を開けた。まるで数トンのなまりを持ったかのように、その扉は重かった。開け切った後は手が痺れて(しびれて)いた。
 中は教会のような場所だ。横に長い木のベンチが前後左右に何個も置かれている。その奥には神殿の入り口にあった石造のミニチュア版が置かれている。それを守るように左右にろうそくが灯されていた。

「あら、貴女もレト教に興味がおありですか?」

 いきなり少女が聞いてきた。肌は色黒だ。前髪はピンク色で、腰まである後ろ髪は茶色という変わった髪の色だ。そしてその目の前には、エドワードとアルフォンスがいた。

「あ、う……。うん、あるよ! コーネロに、じゃなくって……コーネロ様に会いに来たの」
「そうなんですか! それにしても、初めて見るお方ですね」

 少女が微笑みながら言う。マリーの嘘には全く気が付いていないようだ。マリーはエドワードとアルフォンスの方を見た。そして軽くウインクした。
 錬金術を使用するのに、神の教えを信じると言ったマリーに疑問を抱いていたのだろう。だが、マリーのウインクで嘘だという事が分かったらしい。エドワードが苦笑していた。


「このお方だって言っていられるでしょう。それは神を信じ、敬い、希望と感謝に生きる。なんとすばらしい事でしょう!」

 少女の表情にエドワードがげんなりとした顔をしているのが、マリーには分かった。


「あいにくオレ達錬金術師は神とやらを信じない。錬金術師はな、科学者なんだよな」
「そうだとしても……。信ずれば、貴方の身長だって伸びますよ!」

 少女が自信満々に言う。その刹那、エドワードが暴れ出した。アルフォンスがそれを羽交い絞めにしておさえる。マリーは大笑いしていた。

「けっ! “死するものには復活を”本気で信じているのかよっ!?」
「えぇ」

 少女がマリーの方を見た。“貴女もそう思うでしょう”という目つきだ。マリーは苦笑しながらうなずいた。


「彼女だって言っているじゃないですか!」

 エドワードはため息をつくと、コートのポケットを探り始めた。そしてそこからボロボロの手帳を取り出す。付箋があちこちから飛び出している。
 エドワードはパラッと手帳を開けると、そこに書かれているのか、手帳を見ながら呟き始めた。


「水35リットル、炭素20キログラム、アンモニア4リットル、石灰1.5キログラム、リン800グラム、塩分250グラム、硝石100グラム、その他もろもろ……」
「エドワードさん、何ですかそれ……」

 マリーが言うとエドワードは手帳を閉じながら言った。

「大人1人分として計算した人体構成成分だ。今の科学ではここまで分かっているのに、実際に人体練成を成功した例は報告されていない。科学でもできないことを祈ったらできるのかよ!」
「……祈り信じよ。さすれば汝が願い成就せり、です。コーネロ様の教えに間違いはありません!」


 少女は意志の強そうな瞳をしている。それだけコーネロに対する思いが強いのだろう。


「ちなみに構成分材料な。市場に行けば子供の小遣いでも、ぜーんぶ買えちまうぞ。人間てのはお安くできてんのな〜」
「エドワードさん。なんでそんなの手帳に書いているんですか……?」

 マリーが尋ねるとエドワードの顔が一瞬強張った。
がしかし、いつもの表情を取り戻すと、エドワードは今にも消え入りそうな声で言った。

「覚えておかなくちゃいけないから、かな」







      羽烏様

こんばんは、羽烏様^^それはこれから明かされていきます♪
楽しみにしていてくださいね!
ハイ〜……。とりあえずロゼとのやりとりです。疲れちゃいました;;

ありがとうございます!頑張りますbb
 

……なんか最後オリジナル入れちゃいました;;
原作にそんなセリフないですよ!?((わかってらい)
こう……延々と続いて行きそうだったので、とりあえずオリジナル入れて切りました……。

次回……まだロゼとの会話続く……(←(カモです)