二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 鋼の錬金術師 〜約束の月光〜 ( No.8 )
日時: 2010/06/22 21:22
名前: 皇林 (ID: slitpE5G)

 店には50歳から60歳前半ぐらいのおじさんがいた。どうやら店の主人らしい。マリーは重い身体をひきずって、椅子に座りこんだ。鞄を地面に置くと、カウンターに顔をうずめた。主人が少し慌てた様子で言う。

「お譲ちゃん、どうしたんだい? 気分でも悪いのかい?」
「あーいや……。大丈夫です……。それより、飲み物ください……。あと、なにか食べ物も……」
「あいよ」

 マリーは顔を上げると、注文したものが出てくるのを待った。ぼんやりとしているのも何なので、ブーツの紐をしっかりと結び直し、髪についてしまった砂をはらった。そして、首からかけてある月色をした石を、両手で優しく包み込んだ。

「あいよ。ジュースと、スナイモリを調理した物、だよ」
「す、すなっ……!? あ、あの、別の物にしてくれませんか?」
「あいよ」

 見た目は川魚に似ているが、そこからは手と足が生え、全身は墨のように黒い。そして身体全体の皮膚は水分が失われてしまっている。マリーは苦笑しながらそのスナイモリを見つめていた。
 しばらくすると、普通の物が出てきたので、マリーは心底安心した。

「それじゃあ、いっただっきまー」

 ガシャンッ、という音が、マリーの食事の開始を切った。マリーは恨めしい気持ちで、音のした方を見た。店の主人がショックを受けたように口をあんぐりと開けている。そのそばには、青銅色の鎧。丈は2メートルはあるだろう。ペコペコと頭を下げているのを見ると、鎧が立った時に落としてしまい、壊してしまったのだろう。

「お客さん! だいだいそんな恰好で歩いているから……」
「まぁ待てって。すぐに“直す”からさ」

 金髪の髪を三つ編みにして、赤いコートを羽織っている少年が主人を止めた。その目は生意気そうだ。だが、何か決意がありそうな、強い強い目だ。マリーはその少年に見入っていた。どこかで見た事があるような気がしたからだ。
 マリーがそんな事を考えているうちに、鎧は壊れたラジオの周りに、チョークで複雑な模様を描き始めた。書き終えたのか、すっくりと立ちあがった。

「あ……錬成陣……」

 マリーの呟きは聞こえなかったのか、鎧が声をあげた。その刹那、白い光が発生し、やがてその光が収まった後には、新品同様のラジオがあった。マリーは笑いながら軽く拍手する。

「驚いた! あんた奇跡の術が使えるのかい!?」
「「「奇跡の技ぁ?」」」

 少年と鎧と、そしてマリーの声が重なった。それに気がついたのか、少年と鎧がマリーの方を向く。マリーはあたふたとして、2人に向かってはにかんだ。
 少年は微笑みながらマリーに近づく。その後に鎧もだ。

「あんた、さっきこいつが使ったの、何かわかるのか?」

 少年が鎧を叩きながらマリーに尋ねる。マリーはうなずき、答えた。

「知ってるよ。錬金術でしょう? 物質を理解し、分解し、再構築する科学技術。さっきそこの鎧さんが描いたのは、錬成陣だよね」
「おみごと」

 マリーは少年に向かって微笑んだ。その時、鎧が主人に言った。

「この子の言うとおり、錬金術ですよ」
「エルリック兄弟っていやぁ、結構名が通っていると思うんだけどねぇ」

 少年が自慢げに言う。マリーはその名を聞いて思い出した。手をポンッ、とうつ。そして大声で言った。

「兄が国家錬金術師の……。そう……『鋼の錬金術師』エドワード・エルリックだっ!」






    稀羅菜様

おや、初めまして^^鋼の錬金術師好きなんですか!同じですね^^
マリー、可愛いですか?一応頑張っているんですが、中々不安なもので……。
ありがとうございます。頑張ります。

    羽烏様

描写……ありますかね。ゴタゴタしてて読みにくくないでしょうか?大丈夫ですかね?
尊敬なんてしちゃだめですよ^^;やっぱり羽烏様も同じですよね^^*頑張りたい、ってなります。
ごみクズ……いいえ、ゴキ○リよりも下です。こんな文財分けたら本当にくさっちゃいますよ……。

いえいえ^^*羽烏様とのおしゃべり、楽しいですよ。
頑張ります!いつもコメントありがとうございますね。