二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: モンスターハンター 〜閃光の亀〜 ( No.1 )
日時: 2010/06/25 18:46
名前: L (ID: I4ogAiKW)

—序章0-1—

ここは辺境のテロス密林。
海に面し、背の高い木々が生い茂っている地帯だ。
人の手が加えられていない原生林には多数のモンスターと呼ばれる者達がその生態系を築いている。

「——……来た」

そんな密林に彼は居た。手には少し小さめの銃筒を手にしている。
そっと草陰から前を見るとランポスと呼ばれる鳥のような顔つきで、青い鱗を身に纏い黒い縞模様が特徴的な、小型の肉食モンスターが二匹いる。
幸いランポスはこちらに気付いていない。
彼はポーチの中をのぞき、一つの玉を握りしめポーチから取り出した。

(まだだ……まだ早い……)

彼は前方で警戒しているランポスがこちらを向くのを待っていた。
その手と額には汗が流れている。
一頭のランポスがこちらを向いたその刹那、彼はその玉を前、つまりランポスが居る方向に投げた。

辺りが眩い光に包まれる。

彼が投げた球は閃光玉と呼ばれるものだ。閃光玉は文字通り、強い光を発し、モンスターの視界を奪う道具だ。

「ギャアッ!?」

一頭のランポスが閃光玉で目を焼かれた影響のためか、ふらふらしている。
もう一頭のランポスは彼に気付いたのか、その発達した後脚でこちらに迫っていた。
彼はゆっくりと、だが確実に狙いを定め、その銃口から一つの弾丸を放った。

弾はゆっくりとランポスの胸に吸い込まれていく。

「ギャアッ!?」

ランポスの胸から血が噴き出し、周囲を赤い血で染めている。

(もう一撃!)

彼は苦しんでいるランポスに銃口を向け、再度狙いを定める。
その刹那、乾いた銃声が響き、ランポスは絶命した。
胸と頭、脚に穴が空いている。

「ギャアッ!」

もう一頭のランポスは視界を取り戻したのか、怒りの声を上げている。
地面に倒れた仲間を見て、そのランポスは狂ったように突進してきた。
彼は突進してくるランポスに先ほどのように狙いを定め、弾丸を放つ。
胸、頭、脚の順にランポスの体に穴が開いた。

(ちっ……まだ立つか)

彼は即座に弾丸を込め、ランポスの首に向かって放った。

「ギャア……」

ランポスはふらふらと力が抜けたように倒れ、眠りについた。
彼は腰のベルトにかけてある短いナイフを手に持ち、ランポスの死体に突き刺した。
肉と皮を裂く音が静かな空間に響く。

「ふぅー……何はともあれ依頼完了だな…」

彼は額の汗を拭い、ランポスから剥ぎ取った青い鱗をポーチにしまう。


彼の名はバレット・タートル。モンスターハンターだ。