二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロだってサッカーします!【イナイレ×ボカロ】 ( No.21 )
日時: 2010/07/02 18:16
名前: 空紅 ◆.cU92yuIQo (ID: yjS9W/Zh)

*〜Story.3〜*


「あの、これどうぞ。」
「貸せ!もぐもぐ……むっ、やはり上手いなこのフランスパン!」

少女が買って来たフランスパン。
テトは手から奪い取り、すかさずかぶりついた。
……おまえ、ホントに女か?

「アッイスシュ〜♪アッイスシュ〜♪」
「にーんじん!にーんじん!」
「なすなすなすなすっ♪」

こっちでは変なラップ大会開催中だし。
ミクはネギパンむしゃむしゃ必死で食べてるし。

「あの、じゃあ俺戻るんで。さようなら……」

お辞儀をして、少女はにこっと笑った。
さらさらの空色の髪が風にはためく。綺麗だ。

……にしても、なんで学ランなんだ?
なんで『俺』なんだ?

「ちょっと待ってくれ!」

ぐわしっ!と効果音が付きそうな勢いで、テトが
少女の肩を掴む。
ゆっさゆさ、と揺すぶられる少女。

「君は実に良い奴だな!よし、君が戻るところに
 着いて行こう!」

完全に迷惑としか思えない言葉を満面の笑みで言うテト。
ここはオレが止めるっきゃ無いか……。
ツッコミは辛い。

「おいテト、ちょっと待て。それ迷惑だろ。」
「え?なんでだ、レン。こんなか弱い人守ってあげなきゃだろ。」

さりげなく失礼だぞ、テト。
しかもツッコミが全然効いてない。
そのテトが言った言葉を聞いた少女が、また笑った。

「サッカー、やりますか?」
「おお!奇遇じゃんかー!」

大声を上げたのはメイコ姉さん。
そうだ、最近オレ達はサッカーをしている。
歌ってるだけじゃさすがに飽きるもんな……。

「それなら、俺らのチームの対戦相手になってくれませんか?」

少女の紅い瞳が、楽しそうにきらめく。
そこで手を挙げたのはミク。

「は〜い、なんてチームなんですか?」
「あ……忘れてた。」

つぶやき、少女がお辞儀した。

「俺、風丸 一郎太。雷門サッカー部のDFです。」

少しの沈黙。
……「一郎太」?


『えぇぇぇぇぇぇええええ!?!?』

オレ達の叫びがそこら辺に響いたのは、
言うまでも無い……よな。