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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: - Horror Story - 【どう森】 ( No.1 )
- 日時: 2010/06/28 21:22
- 名前: noma ◆rN59HBJMM6 (ID: dWKALzjp)
—家—
ジョンの住む村に、誰が住んでいるかわからない家があった。
その家はいつもカーテンが閉め切っていて、夜になるとカーテン越しに住人の影が見える。
ただ、その住人が外で姿を見せることはなかった。
気にはなる。確かめようと思ったことも一度や二度ではない。
しかし、どこか不気味な感じがして、ジョンはいまいち踏み出すことができなかった。
「オバケだったりしてー」
「やめてくれよ」
ある日の夜。ジョンはロビンとその不思議な家のことについて話していた。
ただロビンは、怖がりのジョンをからかって楽しんでいるだけなのだが。
「不気味だよねえ。なんで外に出てこないんだろうねえ」
「……知るか」
ジョンはそう投げやりに言うと、そっぽを向いた。まったくたちの悪い。
しかしロビンは飽き足らないのか、急にこんな提案をしてきたのである。
「じゃあさ、これから一緒に確かめてみない?」
そういうロビンの顔を見れば、おかしそうに笑みを浮かべている。
ふん、どうせ俺を怖がらせようって思っているんだな。よおし……。
いい機会だ、とジョンは思った。ロビンにずっとからかわれるのもつまらないし、せっかくだからこの際確かめてやる。
ジョンは意地を張って「いいよ」と答え、二人は早速あの家へと向かっていった。
この時夜空には、珍しく赤い月がのぼっていた。
〜続く〜
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