二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: - Horror Story - 【どう森】 ( No.2 )
日時: 2010/06/29 23:36
名前: noma ◆rN59HBJMM6 (ID: VQ5Z3lvG)

>>1 の続き

例の家は、村の集落から外れたところにひっそりとたたずんでいた。
二階建の家。窓からぽつりと明かりがもれており、今のところ住人の影は見えない。
ここまで来たはいいけど……この後どうすりゃいいんだ?
そう思っていると、ロビンが軽く俺の肩をぽんと叩いてこう言った。

「先手は君に譲るよー」
「はあ? なんで俺が……」
「怖いの?」
「……別に」

じゃあどうぞ、とロビンはドアへと手をさし向ける。本当にたちの悪い奴め。
ジョンはゆっくりとドアの前まで行き、大きく深呼吸をしてから、ドアをノックする。
だが、返事はなかった。もう一度ノックをしてみる、が、やはり何もなかった。

「なんだ? いないのか?」
「でも部屋の電気、ついてるよ?」

おかしいな……そう思って、ジョンは何気なくドアノブに手をかけてみる。すると——。
ドアは軽く引いただけで、キイイと音を立てて開いたのである。
しかし、ドア口にはだれも立っていなかった。鍵をかけていない?

「やっぱり……誰もいないんじゃないか?」
「鍵開けっぱなしだー。不用心な人だねえ」

別に村で空き巣にあうこともないので、鍵をかけなくても平気なことは平気だが。

「いねえんなら帰ろうぜ。ここにいたってしょうがな——」
「ね、ちょっと覗いてみない? せっかくここまで来たのにさ、帰るなんてもったいないよー」

踵を返して帰ろうとするジョンを引きとめ、ロビンはうずうずとした様子で家を見る。
まあ、部屋くらいはちょっと見ていくか。住人のこと、何か分かるかもしれないしな。
そうしてロビンに促されるまま、ジョンは家の中へと入っていったのだった。

しかし二人は気付いていなかった。二階の窓で、何かの影が動いたのを。

〜続く〜