二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: - Horror Story - 【どう森】 ( No.3 )
日時: 2010/06/30 23:28
名前: noma ◆rN59HBJMM6 (ID: 7ZYwzC8K)

>>2 の続き

家っていうのは、その住人の性格とか、好みとかを表すものだ。
だから部屋を見れば、大体その住人がどんな人物かわかるというもの。なのに——。
この家には……何もなかった。普通置かれているはずの家具がなにひとつない。
二人はぼんやりと部屋の真ん中で立ち尽くした。

「……ここ、誰か住んでいるんだよね?」
「…………」

ロビンの問いに答えられず、ジョンは部屋を見渡したまま黙っていた。
生活感を感じさせないこの場所に、人が住んでいるとは思えない。しかし、だ。
夜になれば、カーテン越しに人影が見えていたのだ。前からそうだった。
わからない。ただ、ここにはもういたくない。そんな気がした。

「ロビン、もう出よう。なんかここ変だ」
「そ、そうだね」

ジョンはロビンの手を引っぱり、外へ出ようとした。が、突然ロビンが歩みを止めた。

「何やってんだよ」
「ねえ……二階から、何か聞こえてこない?」

ロビンは、二階へ続く階段の先をじっと見つめている。その奥は暗くて何も見えない。
だがジョンには何も聞こえなかった。
気のせいだろ、と言いかけてジョンははっと思った。

待てよ。そもそもこの家の住人は、外へ出てきたことがないはずだ。
この村は小さい。誰か出歩いていれば、すぐに見かける。
だけど、俺たちがここへ来るまで、誰にも会わなかった。ということは……。

「はっきりとじゃないけど、聞こえる。何の音だろう?」
「ロビン、早くここから——!」

そうジョンが急かすように言った時だ。

『キリキリキリキリ……』

〜続く〜