二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: デュラ学園は今日も大騒ぎ! ( No.32 )
- 日時: 2010/07/20 16:32
- 名前: 花梨 ◆KeeFa5jqf6 (ID: sH2xenM.)
7時限目 「謎の担任と恐怖なクラス」
「諸君、静まりたまえ」
ざわめきたっていた教室に、ガスマスクをかぶった男が入ってきた。
ガスマスクの下からは、くぐもった声がする。
しかし、そんな男を無視するのかのように、生徒のざわめきはより一層大きくなるばかりだった。
「新羅!このざわめきを、沈めてくれないだろうか。あぁ、セルティ君もいるなら手伝ってくれ。五月蝿くてしかたがない」
『嫌だな』
「嫌だ」
新羅とセルティの声(?)がみごとに重なり合っていう。
ガスマスクの男は舌打ちをすると、懐からある物を取り出した。
———————黒いピストル。
『ま、待て!それはやめろ!危ないぞ!』
「ていうかそれ、立派な銃刀法違反だから!」
そんな二人の叫びも聞かず、ガスマスクの男はピストルを空に向けて———
『パン』
ピストルから、赤青黄色の色鮮やかな万国旗が飛び出した。
明らかに玩具なのだが、生徒達を静めるのはそれで十分だったらしく、教室の中は一気に静まり返った。
「あー…それで、担任の紹介だが私がする事になっ、がふぅっ!?痛いじゃないかセルティ君!君はそうやって義父さんのことを、ぶん殴るのかね!?あいたたたた!新羅まで私をそんな目で見ないでくれ!実の父親だろう!?」
『……』
「諸君も冷めた目つきで私を見ないでくれ!君たちの担任は私なんだぞ!?そうだ、自己紹介をしなくてはなアイタタタ、私はここの担任の岸谷森厳という者だ痛いッそこ!つねるな!よろしく諸君んんんイタタタ」
『あー、皆さんちょっとこの人に説教してくるので、自習していてください』
セルティが黒板に文字を書き、「セルティ君〜!」と叫び続ける男を新羅と一緒に引っ張りながら、廊下へ出て行った。
教室はまた平和になる。
—————という訳でもなく。
「だからぁー、杏里は可愛いだけじゃなくお色気もあるんだってば。そこら辺、ちゃんと分かっているのかい?み・か・ど・く・ん!」
「高校生に向かってお色気とかはないよ!ね?園原さん!」
「どっちでも…いいですよ」
明らかに高校生には見えなさそうな童顔の少年と、
髪の毛を金髪に染めた言動が女たらしの少年と、
二人の言葉を聞きながら赤くなっている眼鏡の少女が、なにかしらで言い合っているし、
「ねぇねぇ、クル姉!幽さんと同じクラスだよ!やったぁ!!」
「駄(でも、ルリさんもいるよ)」
眼鏡をかけ、セーラー服を着たいかにも清楚そうな少女と
体育着を着たセーラー服の少女と同じ顔をした少女が、はしゃいではいるし————————
「ねぇねぇ、君は人のことをどう思っているんだい?」
—————————隣はこんな人だし。
雷香は、隣である臨也の方に少しだけ顔を傾けると、言葉を紡ぎだした。
「別に…アイは、人間自体には興味ないから」
「別にって…面白くないなあ、人間は実に素晴らしい生き物なのに!歪んでいるし、嫌いなのに仮面をかぶって生きているやつはいるし、シズちゃんみたいに怪物のような人間もいるし、君たちみたいに人間自体に興味がない・嫌いって人間もいる。あぁ、だから俺は人間が好きだ!人、ラブ!あぁ、もう人間が愛しくて愛しくてたまら…」
そこで臨也は言葉を紡ぐのをやめる。
否、止めさせられたのだ。
彼女の手の内にある、コンパスで。
「五月蝿いって何回言ったらわかんの?アイは、アンタみたいな阿呆とは違うから」
しかし、臨也は真っ赤になった自身の手を見て、ニヤリと笑った。
——————とても、楽しそうに。
「あぁ、そうだろうねぇ。君は人間が愛せない可哀想な人だ。だが俺はそんな君も愛せるよ?」
「……アンタの心は読めないけど、でも、変な人だって事は分かった。折原———うざやだっけ?覚えておくね」
「いや、俺の名前は臨也だけど…」
—————————変な人に出会った。
————よし、今月の目標はうざや君の心を読む!
こうして、彼女の学校生活は始まった。
果たして、彼女の目標は達成できるのだろうか?