二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: デュラ学園は今日も大騒ぎ! ( No.36 )
- 日時: 2010/08/06 19:38
- 名前: お饅頭 (ID: itTFRLr7)
11時限目 「無意識」
「ねーねーあのさー…春風さん?」
「ねぇねぇっそう思わない?」
「…あ、えーと、何の話だったっけ?」
基本乱歌はあの奇妙な技を抜くと周りと溶け込むことができる。
仲良くも悪くもならず、ただ溶け込むのだ。
基本的、常識的、日常的な人間にしか通用しないこれは、
その逆の人間には大きな違和感と興味と乱を呼ぶ。
本人は無意識なのか。それとも分かっていても受け止められないのか。
分かるのは本人だけだ。
「だからー、なんでいつもおかしな人とばかりいっしょなの?」
「そうそうっ明らかに柄が悪い人とかおかしな人じゃん!」
「別に、嫌いなわけじゃないしねー」
「えーっ」
「まぁ、そんなもんでしょ?関係なんて」
「そうかなぁー」
—雷香はこういうヤツが嫌いだ。私も嫌い。悪寒がするし、吐き気がする。
汚い。でも、私はそれを表にだす派ではない。
そこで乱歌は雷香の視線に気づく。
—またか。
「ごめん、ちょっといい?」
タタタッ
「どうしたの?」
「なんかリーが消えた」
「やっぱりー…」
「大方、どっかのうざい誰かさんにちょっかい受けて他のところに行ったんだと思うから、アイは行ってくる。乱歌は情報収集して」
「い、いいけど…」
「だいたい目星はつくでしょ?」
「まぁ、ね」
「じゃあいってくる(ダッ」
「あ、ちょ、い…いってらっしゃい」
本当は乱歌はリーが心配だった。
だが、乱歌はリーの元へ行くことはせず、
雷香の言うとおりにすることにする。
正確には、行きたくても行けないのだ。
乱歌はそんな自分の気持ちに気づかない。
ただめんどくさいから、という理由で納めている。
彼女は自分の心がわからないのだ。
自身できちんと自覚をしていないのだ。
だから心を読まれることがない。
その心は心であって、心ではないのだから—
「さて、情報集めと行きますか」
彼女は自分の心を生贄に、素晴らしい才能を手に入れた。
すべてを内からではなく外から見ること。
杏里のような、額縁からではない。
本物の外。すべてを設計(想像)することもできる脳内。
関係を票(絵)に表すことだって、情報をみつけることだって容易い。
そしてそれはすべて音となり流れる。
少しの言葉も見逃さない。すべてが流れ込み、浮遊している宇宙(脳内)。
そしてすべてをCD(細胞)へ焼きこむ。
そんな彼女は聞き逃さなかった。
どこかで場の雰囲気が向上している“音楽”を。
—気のせい、だよね。