二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】太陽と、 ( No.6 )
日時: 2010/07/04 20:46
名前: 瓦龍、 ◆vBOFA0jTOg (ID: Dqv4019I)
参照: 彼等を見た時、僕は何かを感じた

▼story02 「謎の果て」

僕は泥の中から掬い上げられる様に目覚めた。

夢さえ見ない深い眠りだったにも関わらず、何故か寝覚めが良い。
其の侭暫く、天井を眺めていたが、不意に其れが見覚えのない天井だと気づき、勢い良く起き上がった。

「———っ!!」

急な行動に、身体中が悲鳴を上げる。
身体の節々も固まってしまっているのか、ギリギリと痛む。

「動かない方が良い。」

聞き覚えのある人物に声を掛けられ、僕は咄嗟に振り返る。

「横腹を酷く蹴られたからな、安静にしとけ。」

其処には、僕の良く知る湟謎がいた。
良かった。僕等助かったんだ。と少し安堵したが、そもそも、此処は何処なのだろう。
時計塔から落ちた僕等は、何故助かったのだろう。

そんな疑問が溢れてくる。

僕は辺りを見渡したが、今居る部屋に見覚えは無い。
何時の間に、宿舎に来ていたのだろう。

僕が彼是、思案していると、部屋の襖が静かに開いた。

「気がついたか。」

部屋に入って来た男二人は、琥珀色と黒色の髪。
瞳孔がとても開いた彼に視線を向けられると、自然に背筋が伸びる。

「俺は土方。と、こっちは沖田だ。」

切れ長な目が印象的な土方さん。
短くカットされた髪は綺麗に整えられていて、男らしい。
何とも言えない色香を醸し出す彼を、世の女性達は放ってはおかないだろう。

「宜しくお願いしまさァ。」

そう気怠そうに言ったのは、沖田さん。
女性の様な愛らしい顔つき。こんな顔で微笑まれた日には、卒倒しない女性は居ない。
土方さんとは真逆のタイプだが、此方も死ぬまで女性には困らないだろう。


————————————もっとも、僕には興味の無い事だけど。


「アンタ、名前は?」
「あっ。嘉神 雅焔です。」
「俺は陸萄 湟謎。」

考え事をしていて宙を彷徨っていた意識を引き戻し、慌てて返事を返した。
僕に続いて、湟謎も自己紹介をする。

「そうか。雅焔と湟謎。聞くが、アンタ等あんな処で何をしてたんだ?」

あんな処とは、どんな処だろう。
僕は、彼等に逢う前に何処に居たのか。
記憶を思い出そうとすれば思い出そうとする程、霞の様に指の間をすり抜けていってしまう。

時計塔で兵士と戦って、湟謎を庇って、闇に堕ちた。
其処までは覚えている。では、其の後如何したのだろう。
何故、僕等は此処に居るのだろう。


先程から一番気になっていた事を口にする。

「……此処って何処なんですか?」
「江戸だが。」



「……え。」



 トンデモナイ事にナッテシマッタ。
  今迄、資料デシカ訊イタ事ノナイ、「 江 戸 」

 僕等ハ異世界ヘト迷イ込コンデシマッタノダッタ。


   此レカラ僕等ハ如何ナルノダロウ─