二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:  時間 【鋼の錬金術師】 オリキャラ募集中!!!! ( No.113 )
日時: 2010/07/16 14:20
名前: 魁菜 (ID: ESJvCUA5)

 *° 第25話 怒り *°

 爆発現場にたどり着くと、子供が泣いていた。その子供のそばには——焼死体

「ママァッ!! ママ、ママァッ!!」

「……可哀想に……」

 キョウが呟く。あれが……自分に見えるのは、なんでだろうか

「……絶対に……許さない……」

 地獄を……あの子供が味わった感情を倍にして、あんたに味わわせてあげるよ、アイル
絶対に……許さないから……。その時——

「あ、てめぇっ!!」

 エドがいきなり走り出した。アルもそれについて行く。その先には——黒いフードをかぶった、アイル
いつのまにか私の中に、怒りの炎が燃え上がっていて、私も全速力で駆けだしていた

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 アイルを追いかけてたどり着いたのは、ボロボロの廃工場だった
蜘蛛の巣がそこらじゅうにはっていて、いるだけでも悪寒がする

「アイル……あんた……っっ!!」

「やっぱりばれてたか〜……。まぁ、貴方達の正体もばればれだけどね、軍人さん?」

         
        バ レ テ タ

 だからあの時、あんな表情を見せたのか……

「アイル……あんただけは、許さない……」

「子供を悲しませやがって……おめえ、最悪な野郎だ」

「元より承知よ?」

 そう言うとアイルはいきなり掌を合わせた
その手を地面につけると、私の足元が爆発した

「!!」

「ラウナ!!」

「大丈夫!! アル、キョウを連れて下がってて!!」

「分かった!」

 アルとキョウが下がったのを見ると、エドの方を見てうなずいた。「暴れていい」の合図だ
エドは早速手を合わせ、右腕の機械鎧を錬成した。先が刃になる

「んじゃ……私も……っ!!」

 手の平を合わせ、近くにあった2つにわかれている鉄の棒を拾い、錬成する。それが再構築された
そして元に戻った鉄の棒を錬成し、槍へと化する

「エド!! 後ろからよろしく!!」

 エドはうなずいて、アイルの後ろに向かう
私はアイルの真正面からだ。向かって行って、槍を一振りする。あっさりとよけられるが——

「くっ……!」

 エドの右腕の刃が、アイルの右肩を直撃した
だけど……エドの目には迷いがある。きっと、人は殺したくないのだろう。……同じだよ、私も

「この……っ!!」

 アイルは手を合わせ、私に向かってくる。そして私の腹部に手を当てようとした
私はぎりぎりでそれをよけ、アイルの左肩を狙って槍を振り下ろす

 それもよけられる。まぁ、当たり前か

「エド!! 壁錬成!!」

「おう!!」

 エドが壁を錬成したのを見ると、私も手を合わせ、地面につける
すると、アイルの両の手のひらが水色の光に包まれた

 そしてそれは錬成反応の光になる。アイルは気づいた様で、両の掌にはめている手袋をとり、その場から離れた
私もエドが錬成した壁に身を寄せる。私が、アイルが町を破壊した時間に戻した手袋は、そのまま爆発する

「く……そっ!」

 誤算がなければ、あのままアイルの両の手は爆発して、もう錬成不可になっていたはずだ

「エド、この場任せたっ!!」

「おう!」

 私はアル達が身を潜めている場所に向かう
そこでは、キョウが不安そうな顔をしていた

「キョウ。貴女は、アイルをどうしたい?」

「どうって……捕まえたい。人を悲しませたから」

「……そうだよね」

 やっぱりこう言う時、皆意見は一致するんだなぁ……

「んじゃあ、キョウ。聞いてね」

「うん」

 私は息を深く吸うと、思い切って言った

「キョウ。貴女の力を貸してほしいの」