二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:  時間 【鋼の錬金術師】 オリキャラ募集中!!!! ( No.51 )
日時: 2010/07/06 21:44
名前: 魁菜 (ID: q6ctOqAf)

     第2章  -ヴェルゼラ-

   泣き顔。それは周りの人を悲しませる。
   笑顔。それは周りの人を笑顔にさせる。

   どちらの方がいいか、君にはわかるかな

    *° 第13話 兄弟、そして禁忌 *°

 揺れる汽車の中で、私は資料に目を通していた。
ヴェルゼラの町で起こっているのは、爆発事件だ。錬金術の物らしい。だが、それで犠牲者が何人も出たという

「爆発……。これのどこに賢者の石が……?」

 その刹那、目の前に座っていたエドが資料を取り上げた。
その目はまっすぐに私を見つめている。私も見つめ返した

「ラウナ。お前、賢者の石を探してるのか?」
「それはこっちのセリフでもあるけど」

 しばらく見つめあっていると、アルがそれを切った。
エドが資料を私に返して、座りなおした

「……エド、アル。2人の過去に何があったの?」
「!!」

 また強張った。そんなに辛い事?

「……私は、ね……。恋人がいたんだ。それも……エドそっくり。だけどある日ね……何者かが私達を襲ったの。たぶん……目の前でトゥローは死んだ。そのショックで……記憶を失ったんだと思うんだ。だから私は、賢者の石を探す」

 話し終えると、深く息を吸って、はいた。エドの表情は険しい。アルも俯いている。……私が言ったのに、自分達は言わないつもり?
思い出すだけでも……否、今話しただけで……ヤ、ヤバ、イ……ッ!

「う……っ……ぅぐっ……」
「ちょっ……? おい、ラウナ?」
「ご、めん……。過去を思い出したり……話し、たら……吐き気が……」

 ホントにやばい……。エドがさすってくれてるけど……。さすって……え?
刹那、私はエドの右腕をつかんだ。エドもアルも、かなり驚いている

「ちょっ……何すんだよ!」
「エド……右手、かたいね」

 エドの表情が更に険しくなった。もう言わない方がいい。そう思った

「いつかエドとアルから言ってくれるのを、待ってる」
「……人体錬成」

 え? 自分の耳を疑った。人体……錬成?

「母さんをよみがえらせようとして……失敗して……オレは左足を……アルは……全身を……。その後オレがアルの魂を鎧に定着させて……それで……右腕も……」

 今にも消え入りそうな、か細い声だった。
それでも……分かったよ、エド、アル。そこまで話してくれて、ありがとう


 【私はまだ、一部にすぎないことしか話していないのに】