二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   空 【銀魂】 08話up!! ( No.213 )
日時: 2010/08/24 00:42
名前: アリス (ID: /jbXLzGv)

 09話 レンジャー系統は人気があっても何時かは止める


比遊さんがニッコリと笑いながら、刀に手を掛けた。
その隣で雅焔も刀に手を掛けている。

さすがに、不利かも。

少し流れた汗を片手で拭い、私も刀に手を掛ける。

負けられない戦いになりそう。

だって、トイレ行きたいし。
負けたらトイレ行けずに死んじゃうじゃん!!
そんな恥ずかしい死に方、私はヤダからね♪


「悪いんだけど、トイレ行っちゃ駄目だよね?」

「駄目かな?行くなら、私達を倒してから♪」


うぅ。
仕方ない。

私は刀を引き抜くと、久し振りに愛刀を見た。
最近使うことすらなかった、愛刀『朱紅』。
姉からの授かり物で、肌身離さず———特に姉が行方不明でいなくなってからは毎日どんな時でさえ、離さなかった。


「アリスちゃんごめんね」

「絶対んなこと思ってないよね♪」

「其の通り!!悪い奴は引っ捕らえるのみ!!」


刀を勢い良く引き抜いた比遊さんが近付いて来る。
雅焔もその後に続き、私に詰め寄る。

あれま。
囲まれた。
つか、早くせんと土方来る。
あいつ嫌いだから、早く行きたい。


「許せ、比遊。雅焔」


私はフッと姿を消し、二人の前から去った。

マジ許して。

…マジトイレ我慢出来ないから。


———————————


「んで、つまり結果的に言えば…」

「うん。つまり結果的に逃げられたってこと」


比遊がヘラッと笑いながら、サラッと言い切った。
其の横では土方が眉間に皺を寄せながら、比遊を見た。


「仕方ねぇな…アレを出すしかねぇ」

「えぇ。アレ出しちゃう訳?」

「あぁ。九条アリスだったか———桂より厄介だからな。比遊。あいつを呼びに行け」


比遊はニッコリと微笑んだ。


「あいつって、誰?」

「知らねぇのかよォオオォオオォォオ!!」


土方が思い切りシャウトした声が、屯所中に響いた。


———————————


多串君がシャウトした声が屯所に響いた。
俺達はそう、今屯所前に来ている。
無論アリスを助ける為だと璃李奈は言うが、明らかに目がマジ。

…多分、アリスを拐われた仕返しだよな。
つか、アリス拐うとかマジ命知らずだよ…多串君。

其れより。


「早く入らないアルカ?」

「いくらアリスさんを助ける為とは言え、大人数ですね…」


何時の間にか増えていた、こいつ等をどうにかしろ。

出来るだけ少人数で行きたかったのだが、ハイキングのつもりらしく。
人数は多い方が楽しいだとかで気付けば大所帯。
現在は、俺・璃李奈・怜緒・唯———とまぁ、其処までは先程までとなんら変わりはない。
其処に二人も増え、神楽・新八がいる。

ふざけてる。
明らかにふざけてる。

眉間に皺が寄りそうになるのを押さえ、俺は怒りをグッと堪える。


「突撃は何時にする?銀時」

「…頼む。今すぐに」

「…じゃ、許しも得たし璃李奈。久し振りに暴れて良いって。最近緩い仕事ばっかで鈍ってるからね。唯ちゃんは、影に隠れてて。見付かったら後々面倒だ。さぁ、全員突撃ー!!」


怜緒からの突撃命令。
其れとほぼ同時に、閉まっていた門を神楽が蹴り倒した。
ニコニコと微笑み、神楽的には可愛らしい笑みを浮かべているつもりだろうが———。

ハッキリ言って、悪魔にしか見えねーぞ神楽…。

目の前には多串君達がいた。
アリスの姿は見当たらない。


「…お前等…何者だ!?」


作戦其の一。
顔がバレては困るので、全員覆面。

明らかに、ただの異質な集団。
其れに加えて屯所まで押し掛けてんだから、余計に悪質だな。


「俺達は!!」


璃李奈の掛け声でみんな一斉にポーズを取る。


「正義の使者、アリスちゃん助けるンジャー!!」

「違うだろォオオォオオォォオ!!」