二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 空 【銀魂】 11話&新キャラup!! ( No.256 )
- 日時: 2010/09/05 22:49
- 名前: アリス (ID: cmeedneH)
12話 初めが最低最悪の始まり方の映画とかは必ず最後はハッピーエンド
「何故、貴様そんなに強いんだ!?貴様は夜兎族ではない筈だろう!?」
私は、アンタ等に抹殺された種族の生き残り。
だなんて言う筈もない。
私の中の私の夜叉族の血が暴れ回り、コイツ等を殺せって叫んでる。
殺したい訳じゃない。
けど、憎い。
今まで苦しくなるほど憎み続けた相手の内、一人が此処にいた。
復讐…。
フッと私の脳内に其の二文字が浮かんだ。
「アンタ等に、何故答えなくちゃならないの?」
冥と、夜が息を呑んだ。
それだけ今の私は怖かったんだろう。
駄目。
多分…私は此の二人を殺してしませば、制御が効かなくなる。
人を殺せば殺す程…夜叉族の血は活性化する。
けど、止められないよ。
私は刀を高く振りかざし、有無を言わさず振り下ろす。
瞬間、デジャヴ。
銀色が私の目の前を通り過ぎて行った。
銀…?
私は怯み、少しだけ刀を振り下ろす勢いを弱めたけど、間に合わなくて。
銀を、斬ってしまった。
「え…?ぎ、ん…?銀…?」
「大丈夫…大丈夫だから…刀を、収めろ」
血がドクドクと流れている。
止まらない。
止まらない。
カラン、と音を立て、私は刀を地面に落とした。
刀をよく見ると、銀の血が付着していて私は現実から目を背けたくなった。
「イヤ…イヤアァアアアァアアアアァ…ッ!!!!」
銀、銀。
大好きな、銀。
死なないで。
死なないで。
銀は私の肩に手を置き、辛そうに表情を歪ませた。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
私は肩に置かれた手をそっと握った。
涙が、ボロボロとこぼれ落ちた。
「ごめんなさい…ごめんなさい…銀…死なないで…一人にしないで…お願い…一人は怖いの…ッ」
「一人になんか、する訳ねーだろ…」
銀はボロボロと溢れ出す涙を、片手で拭ってくれた。
温かい。
銀は、優しい。
いつも不機嫌そうだけど。
いつも眉間に皺寄せてるけど。
いつも怒ってるけど。
銀は、温かい人。
私の冷たい冷たい心をずっと前に溶かしてくれた。
「本当は、怖かったの…夜兎族との対面なんて…神楽と一緒にいるだけでも辛かった。のに、私に刃を向けてくる夜兎族と対面なんて、絶対に無理だった…殺してしまいそうで…ッ」
銀は相槌をうってくれた。
怖かった。
怖かった。
銀がいなくちゃ前の戦争の時の様に我を失ってしまうんじゃないかって。
怖かった。
怖かった。
自分を制御出来なくなる自分がいることが。
「お願い…もう、私を一人にしないで…怖い…怖いの…悲しい…悲しいから…」
「…分かってる」
銀の大きな其の手が、私を撫でてくれた。
私は安心しきって、眠ってしまった。
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もしかしたらシリアス編完結…!?