二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 空 【銀魂】 12話up!! シリアス編完結かも ( No.257 )
- 日時: 2010/09/05 23:32
- 名前: アリス (ID: /jbXLzGv)
13話 料理下手な奴に限って自分が料理下手なことに気付かない
次の日。
私は黒髪地味眼鏡より早く起きて、料理作りに勤しんでいた。
だって私は深い眠りに入ってた訳だけど、話によるとみんな助けに来てくれたらしいし。
少しでも恩返し?
「ふぁあぁああ…………って、アリスさん!?何してるんですか!?」
「え?何って、料理」
私はだし巻き卵を黒髪地味眼鏡の目の前に突き出した。
うん…。
まぁ、食べられない訳じゃ無いでしょ!!
私の目の前には少し(此れはアリスの感覚なので、少しですが実際には相当です)黒ずんだ炭の様なだし巻き卵。
うーん…。
でも、結構美味く出来た筈なんだけど。
「黒髪地味眼鏡」
「未だに其の呼び方なんですか!?」
「此れ、食べてみてくれない?私みんなにあげたいんだけど…味、自分じゃ一切分かんないから」
そう!!
アリスは極度の味覚音痴なのだ!!
理由はと言えば、お菓子の食い過g(
「えぇええぇえ!?」
「早く!!早くしなきゃみんな起きちゃうでしょ!!」
黒髪地味眼鏡は眉間に皺を寄せると、鼻を摘まみながら一気にだし巻き卵を口に入れた。
ほぼ噛まないまま、黒髪地味眼鏡は涙目で飲み込んだ。
…味、分かったのかな。
数秒後。
黒髪地味眼鏡は腹を抱えて白目になって息絶えた。
「美味し過ぎて倒れたんだね!!やっぱり美味く出来てたんだ♪良かった♪」
私はニコニコと笑いながら、神楽と唯と銀を起こしに行った。
———————————(銀さん目線)
「…………ん………銀……銀!!」
「うおぉおおぉ!!」
いきなりのアリスの顔のドアップで驚き過ぎた俺は、派手に転げ回った。
…嫌な予感がするのは気のせいだろう。
つーか、寒気まで。
何でそもそもこんな早くに起こされたんだ?
アリスはニコニコと笑いながら、俺を見つめた。
昨日のことを引き摺ってなさそうで良かった。
「そんなに驚かないでよー。全く、オーバーだなぁ」
「いや、誰だって驚くだろ、今のは」
「そうそう!!話は変わるんだけど、サプライズ用意してあるの!!みんなに用意してあるから♪」
アリスはニコニコとまだ笑いながら、言った。
サプライズ?
そう言えば、朝早くからゴソゴソしてたな。
あれは其の為だったのか。
「銀も早く服着替えてこっち来てね♪神楽と唯も起こして来るから!!」
鼻歌混じりにアリスがスキップしながら去って行った。
何なんだ?
あいつは。
今日は無駄に張り切ってるし、むしろ鬱陶しいぐらいだ。
前にもあったな、こんなこと。
確かあの日は沢山の犠牲者が出たっけな。
桂に高杉に辰馬に俺に、先生に…璃李奈に怜緒に唯。
全員腹を壊して、アリスは其れに気付かないという哀れな惨劇。
…………待てよ?
俺の思考回路に新たな疑問が生み出された。
先程から漂っている、使用済み靴下と腐った卵の様な匂い。
あの日も同じ匂いがしてた。
「ちょっと待て…そう言えばさっきアリスは新八の名前を呼ばなかった」
もしかして。
「あの日の悪夢、再来の危機…!?」
かくして、自らの命は自らで守ろうキャンペーンは始まった訳である。