二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   空 【銀魂】 20話up!! アンケ実施中 ( No.402 )
日時: 2010/10/18 18:10
名前: アリス (ID: /jbXLzGv)

 21話 どんな話にもオチは存在する


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一方、万事屋。

其の頃三人は夢幻とアリスを探すのに疲れ果て、ソファーに寝転がっていた。


「銀ちゃん、どうするアルカ…」

「どうするもこうするも、見付からねぇんだ。仕方ねぇだろ」

「前回も前回で真選組に捕まってますし、アリスさんって不幸体質なんですね」


三人は揃って溜め息を漏らした。
外で真選組のパトカーの音が聞こえた。


「…真選組にまた捕まってんじゃねぇだろうな…」


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一方、真選組。


「人殺しを防ぐったって、こんなパトロールで何とか出来るもんですの!?」


半分キレた様な口調で璃李乃が言った。

比遊はあの時確かに言った“人殺しを防ぐ”と———。
だが、繰り返しているのは街を巡回するだけのパトロール。

時々飛び出して来る人等を綺麗に避けながら、比遊は運転を続ける。


「うーん…四人じゃさすがに狭いかなぁ」

「一台の車に四人は狭すぎますわ!!もう…」


グダグダと愚痴を言いながらも、璃李乃・裂夜・寥・比遊の車は進み続ける。
璃李乃は上司相手にいつまでも愚痴を言い。
裂夜はそんな璃李乃を宥め。
寥はそんな二人を冷めた目で見つめていた。
いきなり無線が入り、比遊の横にいた寥が無線を取った。


「はーい、ひじー。何?」

『敬語使うとか無いのかテメェ等は』

「ひじーにそんな敬語とか使う必要無い」


寥はバッサリと言い切ると、無線を切ろうとする。
比遊が横から手を伸ばし、運転を続けながら無線を聞く。

正直、此れも片手運転で相当危ないと思うのだが。


「あぁ…うん…うん…分かった…じゃ、切るね」


比遊は無線を切ると、車をUターンさせた。
其の勢いのせいで三人共横に倒れる。


「何ですの、さっきから!!」

「璃李乃じゃ無いけどさ、行き先ぐらい教えてよ」

「あ、其れはウチも聞きたいかも」


比遊は表情も視線も変えないまま、言った。


「殺人未遂犯、捕まえに行くの」


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うっわぁ、納豆から逃げたと思えば行き止まりか。
納豆の奴に追い詰められたら私…死ぬかも。
夢幻ちゃん全部納豆食べてくんないかな。

ジィッと夢幻ちゃんを見つめていると、夢幻ちゃんと目が合った。


「納豆……いらないなら、食べる…」

「うわアァアアアァアアんありがとう!!」


夢幻ちゃんに思わず抱き付いてしまう。

其れにしても、静か過ぎる。
異様に静か。
何で?

恐る恐る私は路地から顔を突き出した。
其処の通りに、人は誰もいない。


「何で…!?」

「だって、今の時間はもう夕方だぜ?奇跡的に人が誰もいなくなる時間帯って、あんだよな」

「其れをも計算して、此処に連れて来たのよ。此れも全部、夜が考えた作戦。ね、夜?」

「嗚呼———…」


見覚えのある黒髪。
赤と黒のオッドアイ。
まるで獅子の様な其の瞳は、夢幻ちゃんを見てた。