二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

嘘つきみー.くんと壊れた.まーちゃんパロ ( No.143 )
日時: 2010/08/24 18:22
名前: 烈人 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)

【こんな感情どうしようか(ちょっと教えてくれないか?)】


「おはようバカップルの片割れ!」
「おはよう似非天使!」

 発言してからそういや別にレアンって天使のふりなんてしねーよなむしろ悪魔だろって気付いたけど訂正したら真面目に殺されそうだからやめておいた。つうかバカップルの片割れて。片割れっておい。

「残念ながらあたしは天使ではないのです。そう、言うならば女神」
「むしろ魔王ではないのだろうか」

 あ、言っちゃった。まあいいか、自分の気持ちに素直になることはいいことだ。それに溜め込んでたら体に悪いし。
 なんだかレアンの額に青筋がむかつきマークみたいな感じで浮かび上がったような気がするけれどあえて無視。
 今はここから立ち去ることをまず最優先しよう。このままだと殺されかねない。まあ別にクララとらぶらぶーな生活送ってるんだし今死んでも未練はないけど。勿論嘘だけど。嘘じゃなかったら俺精神科の病院いきたい。むしろいかせてください。

「あたしが魔王ならヒートは今から奴隷ね。わかった?」
「とりあえずレアンがとんでもなく子供だということわかりました」

 発想が子供すぎる。あーなんだこの人。馬鹿すぎる。そろそろ本気でこの場から立ち去りたい。
 レアンの相手をするのが嫌なわけじゃないけどレアンを喋ってるところをクララには見られたくないからなあ。

「……んー、ごめんね。あたしまだアトミックフレアは習得してないのよ」
「そうですか。なら次回に期待ってことで、俺は去る。じゃー」
「待ちなさいよ悪魔」

 なんか俺悪魔になってた。

「レアン、知ってる? 今から俺、愛しい愛しいクララ様と部屋で逢引きしなきゃいけないんだよ」
「ダウト」
「正解」

 なぜわかった。わざわざ尋ねるのも煩わしかったし、とりあえずクララに見られないうちに帰ろう。
 それを心に決めて、レアンに背を向けた。案の定、振り返った目と鼻の先にはクララの顔があった。

 あーあ。

「頑張れ自殺願望者」
「頼むから死んでください魔王様」

 いやマジで。どうするんだよ。とりあえずクララと距離をとってみる。レアンはどうやら自室に戻るようで、何も無かったように俺達に背を向けた。……レアンには魔王より死神の称号のほうが正しいかもしれない。また授けておこう。
 一歩、後退。ぎゅん、って風を切る音が聞こえるぐらいの速度でクララが空いた幅を狭めてきた。あの、近いんですけど。なんだかキスしろって催促されてるみたいじゃないか。まあしてほしいならするよ。嘘だけど。

「なにしてるの」
「将軍様の元へ税を納めていたのです」
「戦国時代へ帰れ」

 ごもっともです。下手したら鬼と化しそうなクララをなだめつかせるのにはどうしたらいいだろう。なにか良い言い訳とかないだろうか。さすがにまだ死ぬ気にはなれないし、屋内引きずりの刑とかほんとやめて痛いから。
 とりあえず『好きだよ』っていってみようか。いつも通りならば、それでなだめつかせることができるだろう。

「クララ」
「何」
「俺、クララのこと大好きだよ」
「だったらなんでレアンと喋ってるの」

 う。なんか今日は鋭かった。あれ、クララの賢さはいつの間にアップしたのだろうか。少なくとも俺の記憶にはない。これが巷で噂のチートとかいうやつだろうか。クララはいつの間に機械になったのだろう。
 ……なんてわけわからない談義を頭の中で繰り広げていたらそろそろ首なしになってしまいそうだったから、にっこりと微笑んだ。そしてクララの耳元にそっと口を近づける。

「でも今はね、クララとたくさん喋りたいんだ」

 嘘だけど。とにかく俺は今この窮地から脱出することで忙しいんです。それ以外に今は労力を掛ける気はない。
 ぎゅっ、といきなりクララが抱きついてきた。って、おいおいここ寮の廊下の真ん中。まだ朝早いけどさ、結構人通るよ? 恥ずかしいんだけど。嘘だけど。もう俺は十分恥さらしな人生を送ってきました。今更どうなろうが知ったこっちゃねー! ……嘘だけど。そんなことがあってたまるか。恥さらしは否定しないがさらに恥を重ねることは毛頭無い。

「ごめんねヒート、私ばっかりと喋っちゃうと心臓がもたないんだよね。ごめんね私、そんなこともわからなくて」

 ちょっと待てい。どこをどうハッピーエンド化したらそうなるんだ。別に俺クララにきゅんきゅんとかしてないよむしろ心臓ばくばくだよ悪い意味で。……これは断じて嘘ではない。反応怖いからクララには言えないけど。
 とりあえず反論すると背中に回されたクララの腕がもれなく背中もろとも内臓を突き破りそうな気がするので、同意しておいた。大変心臓に悪い。

「大丈夫だよ。全然大丈夫。俺はクララのこと大好きだから」

 嘘だけど。仮に『好き』だとしても『大好き』ではないから否定しておく。なのにクララは顔を上げてにっこりと笑って、「私も大好きだよ」って幸せそうに言う。

 ……なんだかなあ。罪悪感っていうか、なんていうか。本気でクララは俺のこと好いてくれてるんだなぁ、って思ったらなんか悪くなってきたなぁ。誰か教えてくれないだろうか。
 こんな俺は、クララのことが好きなのかって。



 まあ、嘘だけど。





題名はマトショリカより。やっぱりぱろぱろ。くーリクでも書こうかな。うむ。