二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【稲妻】one more time【話集】 ( No.200 )
日時: 2010/09/03 23:46
名前: 烈人 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)

(イナイレ×ファンタジーっていうよりただ魔法をぶっ放したり剣振り回すだけ。魔法名はドラクエから^p^)


   * 当然の反応(、なわけねえだろ!) *



「ばか、ばかーっ!」

 一瞬の集中の後、そんな罵声と共にレアンが前へと突き出した両手の平から赤やオレンジが混ざった小さな火の玉が放たれた。火の粉を辺りへ散らしながら、その火の玉は一直線にバーンのほうへと向かっていく。
 いきなりのことに、バーンはきょとんとして——すぐさま小さく呟くように「マジックバリア」と唱えた。
 きん、と甲高い音が静かに響き渡り、バーンの周囲を透明な薄い膜のようなものが覆った。火の玉が、その膜に触れる。ばんっ、とその瞬間火の玉はただの火の粉と化し霧散し、消え散った。

「バーン様のバカ! デリカシーないのもいい加減にしてよっ!」
「なんだよただ間違えただけだろ許せよ」

 わーっと無茶苦茶な勢いで、レアンの掌から先程の小さな火の玉がいくつも滅茶苦茶な方向へ飛び散っていく。バーンの張ったマジックバリアに当たったものは全て消えるのだが——違う方向へ、つまりこのプロミネンス専用のミーティング室の壁や天井などへ飛んでいった火の玉は、消えずじまいだ。
 それに気付いたバーンが、少々慌てながら「ニフラムっ」と唱える。すると次々と火の玉が消えていき、室内に焼け跡が残ることは無かった。はあーっ、とバーンが大きくため息をつく。

「ちょ、メラ連発するなって。落ち着けよ、レアン」
「落ち着けるわけないでしょ!? バーン様のバカっ! 燃やしてやるっ!」

 さらに再度、火の玉——メラがいくつも放たれた。メラ自体には大した威力はなく、室内に当たっても焦げ痕を作るだけだろう。とはいえそれだけでもチームメイト達からは何があったかしつこく尋ねられるだろうため、できればバーンは被害は出したくなかった。
 埒があかねえ、とバーンは呆れ顔に苦笑を浮かべながら呟いた。メラ程度の威力ならばマジックバリアが破れることもないだろうし、ニフラムもメラなのでそれほど体力の消耗は無い。
 けれど塵も積もれば山となるということわざ通り、やはりずっとこのままでいるのは辛いだろう。先にレアンの体力が尽きてくれればいいのだが、生憎バーンのほうが消耗は大きい。
 メラは一分歩く程度しか体力を消耗しないが、マジックバリアとニフラムはそれよりいくらか消耗が多い。レアンよりバーンのほうが体力があるといっても、さすがにいくらかは無理がある。

「わざとじゃないって信じてるけどっ、でもちゃんとラベルぐらい確認してよねーっ!」
「信じてるんならやめろよ! わざとじゃないって、悪かったって!」

 ふと、レアンから連発されるメラが息を潜めた。え? と急に途切れた攻撃に、バーンが気を緩めてしまう。だが、レアンの掌の前に浮かんでいる濃い赤とオレンジ色をした、メラよりいくらか大きな火球を見て——わっと、慌てた。そして急いで手をレアンと同じように突き出し、半ば絶叫するように叫ぶ。

「ヒャド!」
「メラミッ!!」

 それと同時に、レアンの掌の前に浮かんだ火球が一気に大きさを増幅し、ぶくりと膨れ上がる。先程の倍以上の大きさの球体となり、炎がますます燃え火の粉が辺りへ霧散する。
 その火球、メラミが放たれた瞬間、バーンの掌の前に一瞬で作り上げられた先程のメラほどの大きさの氷が、メラミへと飛んでいく。見ただけではメラミが圧倒的で、恐らくヒャドは消えてしまうだろう。
 じゅわ、とメラミとヒャドが触れ合った瞬間、水蒸気が上がり水がぼたぼたっと床へと落ちる。ヒャドはメラミにより溶け、それによりメラミの大きさや威力はメラほどまで半減される。

「ちょ、レアン! てめえこんなとこでメラミ使うんじゃねえよ! 燃えるだろが!」
「じゃーバーン様土下座してよ! それで許してあげる!」
「何様だよてめえは!」

 メラまで下級したメラミは、マジックバリアに辺り弾かれ火の粉となり霧散していった。はーっと安堵の、しかしため息を洩らしながら、バーンがレアンに突きつけられた要求に、露骨に顰め面を浮かべて見せる。
 けれどまたレアンがメラミを放とうと集中しているのに気付き、やや癇癪を起こし気味に叫ぶ。

「……わかったわかった! 土下座するからメラミだけは使うんじゃねーっ!」
「あ、これメラミじゃないわよ。メラゾーマ、最近やっと制御できるようになったのよ!」

 メラゾーマ。メラ系の魔法の中で一番強い魔法で、メラミなど比べ物にならないほどの火球を作り出し、それを思い切り相手に降らせたりぶつけたりする魔法だ。
 無論体力の消耗は酷く激しく、勿論与えるダメージも酷く大きい。マジックバリアなど、気休め程度にしかならないだろう。てめえ! とバーンが叫び、メラゾーマを止めるべく走り出した。
 気をそらすことができれば、集中を必要とする魔法は大体の場合は消滅させることができる。放たれない限り。

「いらねえ情報有難うございましたっ! やめろよてめえ本気かよお願いだからやめてくれっ!」
「バーン様が悪いのよバーン様が間違ってあたしが飲んでたスポーツドリンク飲んじゃうからぁ!」

 このようなことが起こった発端は、先程レアンが口走ったことだった。取っておいたプリンを食べられた、などという感じではなく、レアンとしては間接キスになってしまったことが恥ずかしかったのだろう。
 少々過剰な反応だが、バーンには謝る以外なにもできないわけで。どうやらレアンは完全にテンパってしまってるらしく、顔を真っ赤にして今にも吼えそうな勢いだ。

「だーっ、だから悪かったって! だからメラゾーマはやめてく——」

 れ! そう続けられたはずの言葉は、騒々しく開かれたミーティング室の扉により遮られることとなった。否、遮られたのは扉の音ではなく——扉から入ってきた人物の殺気によるものだった。

「うるさいぞ、バーンにレアン。もう練習は始まってるはずだが、練習さぼって何をしてるんだ」

 腕を組みながら、二人を睨みつける、ウルビダ。あ゛、と引き攣った表情が二人に広がる。しまった、やすみませんでしたと思ったり謝る暇もなく、ウルビダは手を振り上げ、言った。

「——マヒャド」



 
(だ、だって……バーン様のこと、好きなんだもん……)



終わり。これは酷い。ツンデレアンちゃん。イナイレ×魔法でレアバン+ウルビダ最強伝説。
バーンのことが好きで、間接キスしちゃって恥ずかしくてきゃーってなってパニクるレアンちゃん。俺得。
やべ、書いててすげえ楽しかったわww

※「マジックバリア」は攻撃魔法の威力を軽減するだけです、くらわないようになんてできません
※「ニフラム」は敵を消し去ります、魔法を消し去ったりできません
※魔法の描写は全てイメージです、信じてはいけません
※まだ9途中までなので、メラゾーマより強いメラ系魔法が出ていたらごめんなさい、そこはご了承ください