二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

G.U.パロでたかふど / あなたに逢いたいだけなのです ( No.340 )
日時: 2011/01/28 12:32
名前: 宮園 紫奔 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)
参照: パロといっても最初のセリフしか真似てませんw

『——エイリア石を、知ってるか?』

 体中が欲望に支配されて、熱に冒されているかのような浮遊感とけだるさが四肢を這い回る。ひくひくと、喉が痙攣する。死んでしまいたいと、こんなことじゃいけないのだと、何度も脳は訴える。しかし体はいうことを聞かず、操り人形のように体が勝手に動いていくのだった。自我を持つことは許されない、否、持つことはできる。だが自我を自ら手放さなければ、体中で蠢き渦巻く膨大な感情らが自分を飲み込んでしまう。ひたすらにそんな妄想にとらわれて、しかしそれは妄想でないともいえないことだった。ぶくぶくと膨れ上がり誇大化していくそれは、確実に精神を蝕み病ませていく。いっそもう死んでしまいたいと咽び願っても、それはどうやっても達成されない願いだった。

 あの時のような想いを、また、しろというのか?

 それでも、と。ぼんやりと、あたしは思うのだ。もしあたしが、またエイリア石に手を出したら。そしたら、世界で活躍している不動は、またこんなちっぽけなあたしの元へ来てくれるのだろうかと。そしてあたしを救ってくれて、また傍にいてくれるようになるのだろうか。
 もしそうなるのなら、不動と前と同じように過ごせるようになるのなら——もう一度エイリア石に手を出しても、あたしは構わない。たとえそれであたしがどれだけ傷つこうとも、不動がどれだけの衝撃を受けようとも。あたしは、一緒にいたいのだ。真・帝国時代の時のように、ずっと寄り添って過ごしていたいだけ。
 いい、よね? エイリア石にもう一度体をゆだねてしまっても、大丈夫、だよね?

「……ごめんね、明王」

——(あなたに逢いたいだけなのです)