二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 触れたい ( No.368 )
- 日時: 2011/03/01 22:36
- 名前: 宮園 紫奔 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)
『触れたい』
たとえるならそれは、とてつもなく繊細でやわらかい、雪のようなものだった。メンタル面がひどく弱い彼女の精神は、少しでも針の先でつつけばそこからびりびりに裂けてしまう。かといって包み込むように触れたとしても、俺が彼女を思う気持ちは彼女に重すぎてまた、彼女の精神はぐらぐらと不安定に揺らめいてしまうのだ。果たしてどうすればいいのだろうか、俺は、どんな行動をすればいいのだろうか?
彼女のことは好きだ。屈託なく向けられる笑顔も、静かに俺を呼ぶ声も、綺麗で大きなその瞳も、全部、全部。彼女が受け入れてくれるのならば、どこまでも愛していきたいとさえ思う。けれどもこんな気持ちは結局生温いものに過ぎないのか、俺は彼女のメンタル面を強くしてやることなどできなかった。むしろ、俺は努力さえもしていなかった。仕方ないのだと諦めて、触れられる範囲で触れようとした。嗚呼、愚かだ、と。やはり諦めたように心中で呟いて、健気に笑う彼女の言葉を待つのだった。
「源田はさ、何色が好き?」
やわらかな笑みで投げかけられたその問いに、しばし黙考する。どんな色が好きかなど、考えたこともない。特にすぐさま思い当たる色もなく、だからすぐ目に付いた色を言うことにした。彼女の髪の色だ。
「……ピンク」
言ってからすぐ、男が言うのには恥ずかしい答えを返してしまったことに気付く。ピンクってなんだ女かよ気持ち悪い、そう声には出さず心中でぼやく。けれども彼女の髪は本当に好きだから、訂正することはしなかった。普通のピンクは好きではないが、彼女に関係しているものとなれば話は別である。
彼女は不意をつかれたように目を丸くして、しかしそれから俺の答えがさしているもの——つまりお前の髪が、突き詰めればお前が好きだということ——に気付いたのか、ふっと頬を弛緩させた。それにつられて、思わずこちらも表情を和らげる。
「じゃあ、今度ピンク色のペアルックで散歩でもしようかな」
「……なっ、」
「嘘よ」
思わず本気かと思い反論しそうになった時——ペアルックはまだしも、ピンク色の服で道を歩けだって?——呆れたように、それでいて楽しそうに彼女にたしなめられる。全く、馬鹿みたいだ。そう自らを一笑して、愉快そうに笑う彼女を見た。
こうやって笑顔な彼女を見ることができるのなら、ペアルックだってなんだってしてもいいかもしれない。ぼんやりとそんなことを思って、半ばいいわけするように付け足した。
どうせ彼女は俺のことを愛してくれてなどないのだから、と。
だからせめて、アイツよりも間近で笑顔を見続けていたい、と。
(それは望んでオーケイなことですか、神様?)
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お題「その幸せの中に僕はいない」
ふどたか←げん、って感じですかね。彼女はたかなしちゃんのことです無論。
忍はメンタル面が弱くて、それを不動が支えているんです。そんな忍を源田は好きになって、まあ色々思うんです。もし俺が小鳥遊と付き合えることになったとして、支えていけるのか、とか。
それで今の忍には不動がいて幸せだから、彼女の笑顔を見ることができるだけで自分は満足なんだ、忍の幸せの範疇には入れないけど、忍の笑顔が自分に向けられるだけで自分はいい、みたいな。
後最後の()内の言葉は完璧にバトロワの影響。友人にかしてもらってまだ上しか読み終わってないんですが。
今回はちゃんと稲妻でしたー。あ、後よろずにするかもです。最近愛が稲妻から分散している……。
なにかあるごとに幽白を想像してしまう自分がいる\(^p^)/ 稲妻のアニメ見て無いせいだな、うん。明日こそ見よう。どうでもいいですが最近人と関わるのが怖い……友人Nと一緒にいるときがいちばん落ち着きます。
もっと文章力上げたい上手くかけるようになりたいよおおおおそればっか考えてますよおおおおおお
……うん、ジュースかって来る!←